丸亀製麺さん、正気ですか!?まさかのドーナツ発売に不安も…「うどーなつ」がヒットしそうな3つの理由

AI要約

うどんチェーンの丸亀製麺が、生ドーナツ「うどーなつ」を販売開始。3つの理由から成功が期待される。

日本のドーナツ市場の歴史と競争事例を振り返りながら、生ドーナツブームが再燃中である状況を解説。

「うどーなつ」の美味しさと特徴、販売戦略の成功の可能性について言及。

丸亀製麺さん、正気ですか!?まさかのドーナツ発売に不安も…「うどーなつ」がヒットしそうな3つの理由

 うどんチェーンの丸亀製麺が、6月25日から全国の店舗でドーナツの販売を始めました。生ドーナツでブーム再燃中のドーナツですが、「うどん屋が参入して大丈夫なの?」と思う方もいるかもしれません。しかし、丸亀の「うどーなつ」にはヒットしそうな3つの理由があるのです。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

● 丸亀製麺がまさかのドーナツ発売 大丈夫なのか…?

 丸亀製麺が6月25日から全国の店舗でドーナツの販売を始めました。

 先に読者の皆さんには感想を頭に浮かべていただきたいと思います。「丸亀製麺がドーナツ」というニュースを耳にして不安を感じた方も多いのではないでしょうか。

 日本では王者ミスタードーナツが長年にわたり成功を収めている一方で、ドーナツのニュービジネスが生まれては消えていく歴史が繰り返されています。

 バブルの頃にはアメリカ最大のドーナツチェーンである“ダンキンドーナツ”が日本に上陸していたのですが、そこそこ人気はあったものの最終的には日本から撤退します。

 21世紀に入ってアメリカから“クリスピー・クリーム・ドーナツ”が上陸します。その柔らかな食感と甘さで一躍ブームになり、新宿駅南口の1号店の店頭には2時間待ちの行列ができました。その後ブームが終わり一時はかなり縮小に追い込まれましたが、戦略を見直して小型店で日本向けの味にアレンジしたことで国内59店舗まで回復しています。

 記憶に新しいのは、セブンイレブンが大々的にレジ横でドーナツを販売した当時のことです。セブンカフェとの相乗効果を狙ったのですが、コーヒーと一緒にドーナツを買って帰る顧客は思ったほどはおらず、やがてドーナツケースは売り場から消えていきます。

● 丸亀の「うどーなつ」 “ニュービジネスとして筋がいい”3つのワケ

 そして最近ですが、生ドーナツが10代から20代女子にブームです。「ミスタードーナツのメニューでいえばエンジェルクリームのような」というと身も蓋もない表現ですが、ふわっとした生地にじゅわっとするクリームがたっぷり入っていて美味しいのが生ドーナツです。

 生ドーナツは美味しいですし、ブームに水を差すつもりも毛頭ありません。

 ただ、コンビニでも類似品が売られるほどの状況になってくると、未来予測専門の経済評論家としては頭の中に懸念がなんとなく湧き上がってくるのです。

 さて、ここでの本題は生ドーナツではなく丸亀製麺の「うどーなつ」です。現在はクリスピー・クリーム・ドーナツから数えて第三次ドーナツブームだとも言われているのですが、そのブームに乗って登場した感のある「うどーなつ」、果たして大丈夫なのか?という話です。

 ここまでのちょっと暗いイメージのエピソードから入っておいて何ですが、私の見立てでは「うどーなつ」は結構筋がいいという話をしたいと思います。

 そもそもこの「うどーなつ」、かなり美味しいです。

 ひとくちで食べられるボール型の小さなドーナツで、原材料の30%は丸亀製麺のうどんです。これが物凄くもちもち感がある。だから見た目は小さくても食べ応えは相当あります。

 店頭で「きび糖味」と「カレー味」どちらかのパウダーをかけて、紙袋の中でシャカシャカと混ぜるタイプです。

 おそらく初動としては「きび糖味」の方が人気なのでしょう。なぜなら個人の感想として美味しいというだけでなく、私が購入したときには、きび糖の方がタッパの中で残りわずかな分量に減っていたのです。

 一方で、友人によればカレー味ときび糖味のパウダーを混ぜると絶妙な甘さのキーマカレー味になるそうです。SNSではこういった食べ方がバズるかもしれません 。

 ただ飲食業をされている方なら誰でも経験があるように、美味しい商品が売れるわけではない。ここが新商品開発の難しいところです。

 しかしこの「うどーなつ」、売れるかどうかは別にしても、成功する新事業の条件を実にうまく満たしているのです。今回の記事では「筋がいい理由」を3つの切り口から説明したいと思います。