エヌビディア乱高下で議論が再燃、注目集まるAIラリーのスタミナ

AI要約

エヌビディアの株価変動が注目を集め、需要の持続性と競争の脅威が議論されている。

エヌビディアはAI関連の売上が急伸し、投資家の期待に応える可能性が高いとされている。

一方、AIへの過剰な期待が株価の過熱を招く可能性もあり、リスクを考慮する必要がある。

(ブルームバーグ): 米半導体大手エヌビディアの株価が大きく変動したことで、同社株上昇の持続力を巡る議論が再燃している。株価のバリュエーションと競争の脅威が主な懸念材料である一方、需要の持続性という変数が鍵となっている。

この1年余り、エヌビディアの顧客は同社が製造できる人工知能(AI)アクセラレーターを全て購入してきた。その結果、エヌビディアの昨年度の売上高は610億ドル(約9兆7900億円)に倍増し、今期もほぼ倍増すると予測されている。

強気な投資家にとっては、事業の拡大や新製品の開発、効率化にAIを活用する方法を模索する企業が増える中、こうした支出はまだ始まったばかりだ。このようなシナリオでは、エヌビディアの増収増益が株価上昇の原動力となるだろう。

弱気派にとっては、AIが過剰な前宣伝に応え、投資に対して十分なリターンをもたらすようになるかどうか、まだ不確定な要素が多い。そうならない場合、需要は冷え込み、株価売上高倍率(PSR)が22倍と、S&P500種株価指数の構成銘柄の中で最も割高なエヌビディアは報いを受けることになる。

エバコア・ウェルス・マネジメントのパートナー兼ポートフォリオマネジャー、マイケル・カークブライド氏は、エヌビディア株に対して強気の姿勢を崩さないが、最大の懸念はこのシナリオだという。

同氏は「これら全ての長期的なリスク(数年にわたるリスク)は、AIが失敗に終わることだ。AIが次のインターネットではなく、次の通信事業者であることが判明した場合、多くの資金が不本意に費やされたことになる」と指摘した。

カークブライド氏が言及しているのは、1990年代にインターネットの急激な普及を見込んで行われた高額な通信ネットワークの構築のことだ。多額の出費と過度に楽観的な予測は、シスコシステムズなどの株価を20年以上たった今でも上回ることがない水準まで押し上げた。

エヌビディア株が3営業日で13%急落し、4300億ドルの時価総額が吹き飛んだ際、投資家は報いがどのようなものかを味わった。株価は25日に急反発、26日は小幅続伸し、下げの約半分を取り戻した。同業のマイクロン・テクノロジーの決算で、AI関連の期待が過大であったことが明らかになったため、エヌビディア株は27日に下落している。