ダイキン株主総会は井上氏への43億円「功績金」を可決 「もっと高くてもいい」株主も賛同

AI要約

ダイキン工業は井上礼之氏に43億円の特別功績金を支払い、株主総会を開催。井上氏の30年にわたる経営トップとしての功績が称賛され、高額な支給額となった。

井上氏はM&Aによる企業買収を通じてダイキンの企業価値を上げ、売上高を12倍引き上げるなど、会社の成長に貢献。特別功績金の支給が決定された。

株主総会では功績金の支給に賛成多数。一部株主からは支給額が低いとの意見もあるが、井上氏の長年の業績を考えると納得の声が多数あった。

ダイキン株主総会は井上氏への43億円「功績金」を可決 「もっと高くてもいい」株主も賛同

ダイキン工業は27日、大阪市内で株主総会を開き、会長を退任する井上礼之氏に「特別功績金」として43億円を支払う議案が賛成多数で可決された。約30年にわたって経営トップを務め、M&A(企業の合併・買収)などによって企業価値を高めたことが評価され、異例の高額となった。総会の最後には井上氏が登壇し、「多くの人に支えられ、恵まれた会社で私自身も幸せな経営者だったと心から思う」と感謝の言葉を述べた。

井上氏は平成6年の社長就任以降、積極的なM&Aによって空調大手を次々に買収し、グローバルで事業を拡大。社長就任から約30年で売上高を約12倍に引き上げ、ダイキンの「中興の祖」とされている。

同社は15年に役員向けの退職慰労金制度を廃止しているが、井上氏の多大な功績を受け、令和元年7月に社外取締役で構成される特別功績金検討委員会を設置。計9回の審議を経て、功績金の支給を決めた。

総会では反対意見はなく、「海外などに比べると少ない。もっと高くてもいいのではないか」といった声も。10年来の株主という大阪府豊中市の女性(72)は「額だけ聞くと最初はびっくりしたが、これまでの功績を考えると納得できる」と強調。同市の男性(66)も「ここまでのグローバル企業に成長した。今後の事業拡大も期待しており、功績金について不満はない」と話した。

過去の功労金は、オリックスが30年以上にわたって経営トップを務めた宮内義彦氏に44億円を支払った例がある。

直近では総菜大手のロック・フィールドが7月に取締役を退任予定の創業者、岩田弘三名誉会長に5億円の特別功労金を支払うと発表。2月にも日本和装が創業者の吉田重久氏に創業者功労金として5千万円を支払うと発表。3月の株主総会で可決された。(桑島浩任、清水更沙)