2500万円超え「レンジローバー」を山道でゴリゴリに転がしてみた結果

AI要約

イギリスのジャガーランドローバーは、本気の電動化を進め、超高級SUV「RANGE ROVER Autobiography P550e」の試乗記を送る。

都市部に住む高級SUV所有者の特徴や、PHEV(プラグインハイブリッド)車のメリットについて解説。

現在の市街地におけるモービリティへの適切な提案であるPHEVの概念について。

2500万円超え「レンジローバー」を山道でゴリゴリに転がしてみた結果

 イギリスのジャガーランドローバーは、今年から本気の電動化を進める。同社が販売する超高級SUV「RANGE ROVER(レンジローバー)」の最新モデルは、電気自動車(EV)とハイブリッド車(HV)の両方の特徴を兼ね備えるPHEV(プラグインハイブリッド)だ。今回は、レンジローバーの最新車種の中から「RANGE ROVER Autobiography P550e」に乗ってみたリポートをお送りする。(コラムニスト フェルディナント・ヤマグチ)

● フェラーリ話を聞きに行った 宮崎のF.PAZUで、クルマを買いました

 みなさまごきげんよう。

 フェルディナント・ヤマグチでございます。

 今週も明るく楽しくヨタ話からまいりましょう。

 この週末も、宮崎で過ごしておりました。

 南九州は既に梅雨入りし、毎日シトシトと雨が降り続いています。どうせ濡れてしまうのだから波乗りに雨は関係ない。とはいえ、やはり晴れていた方が気分が良いものです。つかの間の晴天に形の良いうねりが入って来たので、板を抱えてビーチに繰り出しました。

 先週ご登場いただいた山崎憲治御大。いまだに宮崎・油津港で足止めを食らっておられまして、こちらでのステイも実に3週目。今宵は宮崎市内に繰り出すとうかがったので、ご一緒させていただきました。

 クルマ談議、フネ談議に花が咲き、楽しい時間を過ごしました。来週こそ出港できるでしょう。航海の安全を祈念いたします。

 で、そのF.PAZUさんでクルマを買うことになりました。ちょっとハデかもしれませんが、良いタイミングで良いクルマを福島さんが見つけてきてくださったので。

 ということで本編へとまいりましょう。今回お届けするのは「RANGE ROVER Autobiography P550e」試乗記であります。

● 超高級SUV、レンジローバー 持ち主のほとんどは都市部に住んでいる

 ここに興味深い報告書がある。「超」がつく高級SUV、レンジローバーの顧客に関する調査報告書だ。そこには、このように記されている。

 ・RANGE ROVER EVOQUE(レンジローバーイヴォーク)所有者の78%が都心部に住み、1日の平均走行距離は80%が50km未満で、しかもクルマを使用する時間の55%が都市部である。

 ・RANGE ROVER SPORT(レンジローバースポーツ)所有者の81%が都心部に住み、1日の平均走行距離は84%が75km未満で、しかもクルマを使用する時間の42%が都市部である。

 高い悪路走破性を備えた高額SUVの所有者の多くは、その性能を試す機会などほとんどない都会に住み、街中をチョロッと走る、いわゆる“街乗り”で済ませている、というわけだ。悪路を走るとしたら、週末に家族とともに出かけるキャンプで、ラスト1マイルを未舗装路でつかの間の四駆気分にひたる……といったところだろうか。

● PHEVは、 EVに興味がある人にとって“現状の最適解”

 市街地を中心に、短距離しか乗らない。こうなるとEV(電気自動車)の出番である。

 EVに興味を持つ人は多い。しかし短い走行距離が足かせとなり、購入に踏み切れない人もまた多い。電欠を恐れビクビクしながら乗るのはイヤだ。一方で排出ガスがゼロであり、静かでスムーズで加速にも優れたEVのフィーリングは楽しみたい。

 そうした人が得られる“現状の最適解”は、PHEV(プラグイン・ハイブリッド車)になろう。

 都市部における短距離移動ではEVのメリットを存分に享受し、週末の長距離移動では航続距離の心配をすることなくエンジン車の安心感とともに走る。PHEVはガソリン車とEV両方の長所を兼ね備えたクルマだ。“いいとこ取り”とは、まさにこのことである。