ヘッジファンドの強気な銅買い、中国景気減速に直面-国内勢と綱引き

AI要約

中国のトレーダーらは銅市場の急騰に当惑し、欧米のファンドマネジャーに接触を図ろうとしている。

中国トレーダーたちは国内情勢から銅価格の下落を見込んでいたが、実際には記録的高値に上昇し、敗北を喫した。

投機筋の減少により価格は下落し、中国市場の重要性が再び認識されている。

ヘッジファンドの強気な銅買い、中国景気減速に直面-国内勢と綱引き

(ブルームバーグ): 銅が先月、記録的な高値に急騰した際に中国のシニアトレーダー数人は、報道で名前を知る程度でしかない欧米ヘッジファンドマネジャーに接触を図ろうとし始めた。

中国ベテラントレーダーらは長年、自国経済に関する恵まれた洞察力を背景に、中国が世界需要の半分以上を占める銅市場で優位に立っていた。

しかし今彼らは当惑している。銅相場は本来なら低迷しているはずだと中国のあらゆる状況が示しているにもかかわらず、投機マネーの波が押し寄せ価格が高騰していたからだ。彼らは何を見落としていたのだろうか。

銅市場最大の強気派の一角として注目を集めたピエール・アンデュラン氏やルーク・サドリアン氏のようなファンドマネジャーへの直接あるいは仲介者を通じてのアプローチは、銅市場におけるここ数カ月の綱引きを浮き彫りにしている。

銅上昇に賭けるアンデュランとロコス、相場急伸前に積極投資

綱引きとは、将来の銅不足を見据えて多額の資金を銅につぎ込んでいるロンドンやニューヨークの強気なファンドマネジャーに対し、国内と現状を重視しかつてないほど暗い見方をしている中国の買い手という構図だ。

完敗

中国トレーダーは屈辱的な状況にある。国内が暗いムードに包まれていたため彼らは銅の国際価格の値下がりに賭けた。しかしその後、投資家の買いが相次ぎ価格は記録的高値に上昇。市場で最も賢明なプレーヤーだと自負していたトレーダーらは完敗した。

ブローカーのバンズ・フィナンシャルでマネジングディレクターを務めるタイガー・シー氏は先週のインタビューで、「今年は中国のトレーダーにとって厳しい年となっている。中国の現物市場に対する彼ら自慢の情報の優位性は、想像していたような利益をもたらさなかった」と語った。

しかし、先月の熱狂が一段落した今、中国の市場環境そのものの重要性が再認識されている。トレーダーによれば、投機筋が高騰を受けて強気な投資を大幅に減らしたため、価格は1トン=1万1100ドル超のピークから約13%下落。投資を減らしたのは主にトレンドをフォローするファンドだったという。