中学受験前「最後の夏」…有名個別塾代表が解説「地獄の夏期講習を耐え抜いた我が子、その成果はいつ出るのか」

AI要約

夏期講習が始まり、受験家庭にとっては重要な時期がやってきた。

親が焦りすぎず、子供を適度にサポートすることが受験成功への鍵。

長い目で見て教育を考え、安定した精神状態で受験に臨むことが重要。

中学受験前「最後の夏」…有名個別塾代表が解説「地獄の夏期講習を耐え抜いた我が子、その成果はいつ出るのか」

 受験家庭にとって「勝負の夏」が始まる。塾での夏期講習が始まり、学校の授業がない時間を受験勉強に充てることができる、まさに「差がつく40日間」の始まりだ。学習の自由度が高いこの期間を親がどう使うかで、子供の志望校・合格校が変わってくる。しかし、その重要さゆえに親が張り切りすぎてしまい、成績が伸びずに失敗する家庭も多いようだ。個別指導塾Growy代表でyoutubeチャンネル「ホンネで中学受験」でも情報発信をしているユウシンさんは、次のように警鐘を鳴らす。

「親が焦ってプレッシャーをかけ続けた結果、夏休み後の成績が振るわず、かえってクラスが下がってしまった子供を何人も見ています」

 何をどこまでクリアすればいいのか、どういったポイントと押さえるべきなのか、プロの目から語ってもらった。

 短期集中連載「学年別!中受の夏、完全攻略ガイド」第3回は6年生編だーー。

 4・5年生と6年生の夏期講習が大きく違うのは、「夏期講習で新しいことを学ばない」ということです。六年生の前期で中学受験のカリキュラムは一通り終わっており、夏期講習はこれまで習ったことを元にした演習が始まります。

 そして、夏明けから志望校対策に入ります。塾でも子供たちのやる気を鼓舞し、子供たちの目が受験生らしくなってきます。ただ、この段階でも受験に対して当事者意識が薄く、本気になれない子が一定数いるのも確かです。

 子供のやる気に拘らず、親御さんのやるべき事は、生活リズムを守らせる事と適度な応援です。模試やテストの誤答集めや丸つけといったサポート業務を淡々と進めてください。受験の主役はあくまで子供、親は黒子に徹するようにしましょう。この時期は猛暑、冷房、長時間学習、座りっぱなしの姿勢、ストレスなどで体調を崩しがち。無理は禁物です。

 夏休みで大事なのは、完璧主義に陥らずに目の前のやるべきことを着実に進めることです。その結果として復習が完璧に終わらなくても、赤本が間に合わなくても、決して悲観してはいけません。毎年いらっしゃるのが、「夏めっちゃ勉強したのに全然伸びてない」と嘆いているご家庭です。でも、夏休みの頑張りが成果として出るのは、半年後の受験直前期前後です。

 中学受験はあくまで長い目で見た教育の一環です。わが子の成長を信じるのも親の役目ではないでしょうか。夏以降も親子が安定した精神状態で受験に臨むことが、受験の成功に繋がります。

 そのためにおすすめなのが、ほぼ確実に受かる偏差値帯で行きたいと思える学校を探しておくことです。こういった安心材料があると、焦らずに適度な緊張感で志望校と向き合うことができます。学校選びはお子さんだけでは難しい側面が多いため、ここは親御さんが黒子として活躍する場面かなと思います。時間を割いて探してあげてください。