ピエトロ「和風ドレッシング」、タマネギ加工は手作業にこだわり「人の目で細かな傷を確かめるため」

AI要約

タマネギを製造するピエトロの古賀工場を製造部長の久島武さんが案内する。

タマネギの製造工程や特徴、製品の細部へのこだわりなどが紹介される。

和風ドレッシングの歴史や生産能力向上の計画、鮮度維持に重点を置いた製造工程が語られる。

 従業員が手慣れた作業でカットした大量のタマネギが、次々とドレッシングに加工されていく。オレンジ色のキャップが特徴的な和風ドレッシングを生産しているピエトロの古賀工場(福岡県古賀市)を、製造部長の久島武さん(45)に案内してもらった。

 製造は工場敷地内の2か所に分かれており、最初の工程は「第三工場」でのタマネギの皮むきだ。北海道産を中心とした国産タマネギに機械で切れ込みを入れ、圧縮空気を当てて皮を吹き飛ばしながら従業員がむいていく。皮むきするタマネギは1日4トンに上るという。

 むいたタマネギは、約150メートル離れた「第一工場」にトラックで運んだ後、従業員が1個ずつヘタを切り落として半分にカットし、傷みなどを確認する。熟練者は1個1秒ほどで対応できるといい、手作業にこだわるのは「人の目で細かな傷がないかを確かめるため」(久島さん)だ。

 切ったタマネギを酢と合わせて粉砕機に入れ、さらに別の機械ですり潰して液状にする。刻んだオリーブや九州産しょうゆなどを加えて攪拌したらボトルに詰め、完成となる。カットされたタマネギからボトル詰めまでに要した時間はわずか15分ほどだった。

 風味を維持するためにあえて非加熱で製造することから、賞味期限は3か月と他社製品より短い。酸化を防ぐためボトルに薄緑色の素材を入れたり、ラベルに遮光フィルムを使ったりと、細部にもこだわる。

 和風ドレッシングは発売から40年を超え、昨年に国内の累計販売数が3億本を突破した。2026年春には古賀市に新工場を設け、他の製品をつくる「第二工場」を含めて集約するとともに、生産能力を引き上げる。久島さんは「タマネギの鮮度維持に重点を置いた昔からの製造工程で、今後も味を守っていく」と話す。