彦根でトラック販売や貨物運送を手がけていた彦根相互トラック(滋賀)が破産へ

AI要約

彦根相互トラック(株)が債務整理を南聡弁護士に一任し、自己破産申請の準備に入った。

1955年に設立された当社は、トラック販売や貨物運送業を行っていたが、コロナ禍の影響や親会社の問題で経営が悪化し、10億円の負債が見込まれる。

厳しい経営状況のなか事業譲渡を試みたが成功せず、2024年2月27日までに破産準備に入った。

 彦根相互トラック(株)(TDB企業コード:550008539、資本金3000万円、滋賀県彦根市地蔵町210、代表松田孝信氏)は、6月18日に債務整理を南聡弁護士(南法律事務所、京都府京都市中京区柳馬場通錦小路下る瀬戸屋町463-2スプリングムーンビル2階、電話075-211-0206)ほか1名に一任、自己破産申請の準備に入った。

 当社は、1955年(昭和30年)9月に設立されたトラック販売および貨物運送業者。トラックや重機といった事業用中古車両をオートオークションなどで仕入れ、運送業者などに販売。付帯する車両整備事業なども行っていた。貨物運送については、タイヤ原料や屋根瓦材、浄化槽などの輸送を手がけ、総合物流業者や化学品メーカーなどを得意先として確保。2018年1月には中古自動車卸を手がけるレックホールディングス(株)〈現:彦根相互ホールディングス(株)、TDB企業コード:500496526、滋賀県彦根市〉の100%子会社となって以降は、車両販売を積極化させて業容を拡大、2020年3月期には年売上高約30億1600万円を計上した。

 しかし、2020年以降はコロナ禍の影響による新車生産の停滞で中古自動車の価格が高騰していたうえ、親会社において過年度の不適切会計が発覚したことで、当社も追加の資金調達が困難となり、売り上げの減少と収益性悪化から厳しい資金繰りが続いていた。2023年6月には社有不動産が差し押さえられるなど厳しい経営状況に陥るなか、事業譲渡を模索していたものの奏功せず、親会社が2024年2月27日までに破産準備に入り、当社も連鎖した。

 負債は現在調査中だが、約10億円が見込まれる。