ワンオペで産後うつに。ベランダで「今死んでもなんにも感じないな」と思った私。助けを求めたけれど…【体験談】

AI要約

妊娠生活ではつわりに悩まされるも、安定期に入り落ち着いてきた高橋奈美さん。周囲の妊婦友人との交流やオンライン情報収集で過ごし、コロナ禍での出産準備に不安を感じるも、助産師のアドバイスに頼る姿勢で臨んだ。

お産は早い段階で終わり、安産を経験したものの、産後の体のダメージや赤ちゃんの小ささに戸惑う高橋さん。母親の自覚が芽生える中、初めての育児への不安と戸惑いが浮かび上がってくる。

産後の体の衰えを実感し、育児への不安を抱えた高橋さんが、その経験を生かし産後ケアホテルを起業したいと考える姿勢がうかがえる。自身の体験を共有し、他の新米ママたちの支えとなる存在を目指す決意が示されている。

ワンオペで産後うつに。ベランダで「今死んでもなんにも感じないな」と思った私。助けを求めたけれど…【体験談】

産後、ママの心身のケアと育児全般の相談を助産師さんや保健師さんなどの専門家がサポートしてくれる、産後ケアが全国的に広がっています。そのなかの一つとして「産後ケアホテル」があります。ホテルに宿泊しながら、託児や育児相談、指導などが受けられるというもの。ホテルという空間で、パパも宿泊でき、夫婦が心身ともにリフレッシュできるメリットがあります。

自身が初めての育児を経験し、産後うつの状態になってその必要性を痛感したことから、開業しようと立ち上がった高橋奈美さん。起業のきっかけとその道のり、これからの展望について2回にわたって聞きました。今回はその1回目です。

――妊娠がわかってからの妊娠生活について教えてください。

高橋さん(以下敬称略) 妊娠は、結婚式の1週間前に判明しました。早く授かりたい、ということもなく、自然にまかせて…です。

それからつわりが始まり、ほんの少しのにおいの変化で気持ち悪くなって…。たとえば、部屋を出て、廊下のにおいが違うともうダメでしたね。ほとんど食事がとれない時期もありました。

この状態がいつまで続くんだろう…と不安で、常に「つわり いつ終わる」とネットで調べていました。

――実際はいつごろ終わったのでしょう? 

高橋 安定期に入ったころから徐々に落ち着いてきて…ホッとしました。それからの妊娠経過はとくに問題なかったです。

同時期に、高校時代の友人も何人か妊娠したので、おなかの中にいるときから幼なじみだね、なんて話をしたり。ただ、新型コロナウイルス感染症の流行と重なっていたので、頻繁に会うことはできなくて。

産院の両親学級もなくなり、お産のこと、育児のことはネットやインスタグラム、You Tubeで情報を得ていました。

――コロナ禍で制限があったときですね。お産の準備に不安はありませんでしたか? 

高橋 陣痛を乗りきる方法や、呼吸法を、予習しようと思ったんですけど、調べれば調べるほど、お産が怖くなってしまって…。どうなるのかわからないけれど、助産師さんのアドバイスと流れにまかせようと、検索はやめました。

――お産はどうでしたか? 

高橋 通っていた産院では、家族のみ1名なら立ち会いができたので、夫が立ち会いました。

陣痛が始まって、入院して4時間の出産で、終わってみたら安産で。

「おなかが軽くなった~、赤ちゃんってこんなに小さいんだ!」というのがまず感じたこと。

自分の一人称を「ママ」にすることが恥ずかしいというか、すぐには切り替わらなかったですね。

あと、安産だったということもあったので、自分では動けるぞ!と思って、立ち上がろうとしたら、ふらついたんです。思ったより産後の体はダメージを受けていること、気持ちと体にギャップがあることに驚きました。