381系「やくも」狙う「撮り鉄」へ沿線住民がマナー啓発…私有地を臨時駐車場に転用も、JR西が感謝状

AI要約

JR西日本は「381系」を求めて伯備沿線に詰めかけた撮り鉄へのマナー啓発を行い、感謝状を贈った。

381系は国鉄型の特急電車で、今月ラストランを迎え、日野町には撮影スポットが多い。

沿線住民らは注意を促す取り組みを行い、撮り鉄を歓迎しつつ迷惑行為に対処している。

 JR特急やくも(岡山―出雲市)の「381系」を求め、伯備沿線に詰めかけた鉄道写真の愛好家「撮り鉄」へのマナー順守を啓発したとして、JR西日本は20日、鳥取県日野町の沿線住民らに感謝状を贈った。

 381系は国鉄型の特急電車では全国で唯一、定期運行を続け、今月15日にラストランを迎えた。同社は運行50年を記念してクリーム色にえんじの帯の「国鉄色」など、かつての車体カラーを復刻。日野町には見通しの良い撮影スポットが多く、撮り鉄が集まった。

 一部が私有地への立ち入りや違法駐車を繰り返す中、沿線住民らは、注意を促す看板を設置したり、私有地を臨時駐車場に転用したりして抑止に努めてきた。

 同町役場であった贈呈式で、感謝状を受け取った同町津地の佐野秀樹自治会長(62)は「あいさつを交わすなどフレンドリーに接することで、多くの人が住民側の立場も考えてくれるようになった。マナーが悪いのはごく一部だし、今後も撮り鉄は大歓迎。一緒に町を盛り上げてほしい」と期待した。

 同社中国統括本部駅業務部の青木豊太部長は「迷惑行為に対する皆さんの意見は、建設的なものばかりだった。対策もすばやく、事故やけが人を出すことなく運行を終えられた」と感謝した。