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「世界最大の戦車砲」どんだけビッグ? 新型140mm砲もまだまだ小さい!? なぜ巨砲は消えたのか
ユーロサトリ2024が開催され、新型戦車が展示される
過去に存在した152mm砲搭載戦車の歴史と現状
試作まで含めて最大の183mm砲を搭載した戦車の誕生
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世界最大級の防衛・安全保障関連の展示会「ユーロサトリ2024」がフランスの首都パリで開催されました。
会場には新たに開発された140mm砲を搭載する「レオパルト2 A-RC 3.0」や「EMBT-ADT 140」などといった試作戦車が展示されています。2年前に開催された「ユーロサトリ2022」のときよりも、ロシアによるウクライナ侵略を受け、大威力・長射程な戦車砲を搭載した新型戦車のニーズが高まっていることを予見させるような内容になっています。
ただ、振り返ってみると、世界にはさらに大きな砲を搭載した戦車が存在しました。
歴史上、量産戦車が載せた最大口径の砲は152mm砲です。ソ連とアメリカでそれぞれ作られ、前者はおもに第2次世界大戦で、後者はベトナム戦争や湾岸戦争などで実戦投入されています。
ソ連の152mm砲はKV-2重戦車が搭載しました。この戦車はもともと、ソ連とフィンランドのあいだで1939(昭和14)年11月に勃発した冬戦争時に、フィンランド軍陣地を突破するための火力支援用として開発されたもので、砲は既存の152mmりゅう弾砲を流用していました。発射速度は遅かったものの威力は十分で、その後起きた独ソ戦においても、侵攻してくるドイツ軍相手に火を噴き、局所的には進撃を阻止する働きを見せています。
一方アメリカの152mm砲は、第2次世界大戦後に開発された「ガンランチャー」という砲弾と対戦車ミサイルの両方が撃てるもので、M60A2戦車やM551「シェリダン」空挺戦車が搭載しました。当時アメリカは近い将来、中距離以上離れた戦車や装甲車との戦闘はミサイルが主流になると考えており、誘導可能なミサイルと威力の大きな砲弾の両方を撃てる方がよいと考え、開発・採用したのです。
しかし、ミサイルは撃ち放しではなく命中まで誘導し続ける必要があったほか、両方を撃てるようにするためシステムが複雑になり、車内にもミサイルと砲弾の両方を積む必要があったため、整備性が悪く使いづらいものになったそう。こういった理由から、以後のアメリカ戦車では採用されず、152mm「ガンランチャー」も一過性のもので終わっています。
ただ、これらは前述したように、あくまでも量産戦車に搭載された砲の中で最大なので、試作まで含めれば、イギリスの開発した183mm砲が史上最大になります。これは1950年代に試作されたFV4005駆逐戦車の主砲として開発されたもので、ソ連の強力なIS-3重戦車を撃破できる大口径砲として作られました。
しかし、FV4005駆逐戦車が試作で終わったため、183mm砲も量産されることなく終わっています。