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イタリア最古のメーカー発「最新なのに旧車の味わい」のバイクとは? モト・グッツィがこだわる“Vツインエンジン”の魅力は何か
モト・グッツィの最新モデル「V7 STONE CORSA」の特徴や魅力を紹介。
独特なエンジンフィーリングやデザイン、運転感覚について述べた試乗レビュー。
価格やスペック、乗り心地などの製品仕様も記載。
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イタリアンバイクの名門であるモト・グッツィのラインナップに、2024年から加わったモデルが「V7 STONE CORSA(ブイセブン ストーン コルサ)」。そんな注目モデルに試乗することができました。
モト・グッツィは、1921年に創設されたイタリア最古のバイクメーカー。縦置きの空冷V型2気筒エンジンやシャフトドライブといったユニークなパワートレインを主力としていることでも知られています。
そんなモト・グッツィの最新モデルが、今回試乗した「V7 STONE CORSA」です。イタリア語でレースを意味する「CORSA」を車名に冠していることからも分かるように、クラシックレーサーのようなルックスが特徴のバイクです。
「V7」という車名は、1965年に同社がリリースしたモデルに端を発しており、縦置きのVツインエンジンも、このモデルから搭載されるようになったものです。
元は4輪用に開発されたパワートレインだったことから、クランクが車体に対して横向きに回転し、そのままドライブシャフトを回すという凝った設計となっています。
このエンジン形式によってシリンダーが左右斜めに張り出しており、それがルックスにおけるポイントともなっています。スチールパイプ製のフレームを用いたシンプルな造形のエクステリアですが、ひと目でモト・グッツィのバイクだと分かるのは、この主張の強いエンジンのおかげといえるでしょう。
「V7 STONE CORSA」はビキニカウルを装備しており、シングルシート風の形状とされたシートと相まって、クラシックレーサーの雰囲気に仕立てられています。
特に今回の試乗車はオプションのシングルシートカバーが装着されていたため、レーサーっぽさが一段と強調されています。
●他に類を見ない旧車のようなフィーリング
「V7 STONE CORSA」はクラシックレーサーのようなルックスですが、またがってみると乗車姿勢は現代でいうクルーザーに近いもの。780mmというシート高に対してハンドル位置は高めで、前傾はあまりキツくなく、ステップも前方に位置するため現代のレーシングバイクとは印象がかなり異なります。
エンジンのスペックを見ても、65psという最高出力は現代のスポーツバイクと比較すると非力です。ただし、最大トルクは73Nmあり、3000rpmで最大トルクの約80%を発揮することもあって、アクセル操作に対して機敏な加速を味わうことができます。
個人的に最も魅力的に感じたのは、エンジンのフィーリング。大排気量のV型2気筒エンジン、それも空冷のOHVという形式を採用していることもあり、他の現行モデルにはない独特の“味”を堪能できます。
近年のスムーズに回る水冷エンジンとは異なり、ライダーからも見えるふたつのシリンダーの中で大きなピストンが上下しているのが伝わって来るかのような感覚。最近は“旧車”と呼ばれるバイクの人気が高まり、価格も高騰していますが、現行モデルでありながら旧車のようなフィーリングを味わえる「V7 STONE CORSA」は貴重な存在です。
過去に乗ったモト・グッツィ製のバイクは、シャフトドライブ特有のフィーリングなのか、変速した際のギアのつながりに唐突感がありましたが、最新の「V7 STONE CORSA」はそうした違和感もなく、多くのライダーにとって乗りやすい仕上がりとなっています。
唯一無二のエンジンフィーリングを味わいながら走りたい人にとっては、うってつけの1台といえるでしょう。
●製品仕様
・価格:151万8000円~
・サイズ:全長2165mm
・シート高:780mm
・重量:218kg
・エンジン:空冷V型2気筒OHV2バルブ
・総排気量:853cc
・最高出力:65ps/6800rpm
・最大トルク:73Nm/5000rpm