「ヴェルサーチェ」5割引き、中国で高級ブランドが値引き合戦

AI要約

世界的な高級ブランドが中国市場で過去最大の値引きを進めており、消費者の節約志向が高まっている。

バレンシアガやヴェルサーチェなどのブランドが天猫などのプラットフォームで大幅な値下げを行い、在庫処分に追われている。

これまで高級ブランドが行ってきた在庫処分の手法とは異なる値引きが注目を集めている。

「ヴェルサーチェ」5割引き、中国で高級ブランドが値引き合戦

(ブルームバーグ): 世界的な高級ブランドが中国でかつてないほどの値引きを進めている。中国の消費者が節約志向を強める中、売れ残った在庫を巡りブランドの間で動揺が広がっている。

中国の消費者は今、アリババグループのオンラインショッピングプラットフォーム「天猫(Tモール)」でバレンシアガの代表的なハンドバッグ「アワーグラス」を安く買える。小さなベージュのクロコダイル型押しのバッグが35%オフの1947ドル(約31万円)だ。

この価格は、世界中の同ブランド公式サイトや、「ファーフェッチ」など主要高級品プラットフォームの掲載価格より安い。

事情に詳しい複数の関係者によれば、フランスの高級品大手ケリング傘下にあるバレンシアガは2024年1-4月のうち3カ月でセール品の値引率平均が40%だった。

関係者が非公開のデータだとして匿名を条件に語ったところでは、バレンシアガは天猫での値引き商品数を2倍以上に拡大。これは同プラットフォーム上の1-4月のバレンシアガ在庫の1割強を占めた。

前年同期を見ると、値引きしたのは1月だけで、値引率平均も約30%だった。その前年の1-4月は価格引き下げが全くなかったという。

同様の傾向は他のブランドにも見られる。カプリ・ホールディングスの「ヴェルサーチェ」やLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンの「ジバンシィ」、バーバリー・グループは今月、天猫など中国国内プラットフォームで相次いで値下げ。

関係者によると、23年初めに約40%だったヴェルサーチェの値引率平均は今年50%を超えた。

円安も響く

特別感と価値保全を売りとする商品をてこに成長してきたブランドの間で値引きが相次いでいる状況は、数年前までは考えられなかったことだ。

高級ブランドはアウトレットモールやプライベートセールで人目を避けて在庫処分を図ろうすることが多いだけに、主要プラットフォームでこれほど大幅な値引きを前面に打ち出すのは珍しい。