「マチカフェで選べる3段階の濃さ 顧客の声で『それなら!』コンビニで初の試み」ローソン社長・竹増貞信

AI要約

コンビニ百里の道をゆく

コーヒーサービスの改善とお客様のニーズに応える取り組み

コンビニ業界での新たな試みと品質へのこだわり

「マチカフェで選べる3段階の濃さ 顧客の声で『それなら!』コンビニで初の試み」ローソン社長・竹増貞信

「コンビニ百里の道をゆく」は、54歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 読者の皆さんの中には、コーヒーが好きで一日に何杯も、という方も多いと思います。

 私たちは5月に、全国のローソンの「マチカフェ」展開店舗で、「コーヒー」と「カフェラテ」の濃さを「濃いめ」「ふつう」「軽め」の3段階から選べる新たなサービスを導入しました。カフェラテの濃さを選べるのはコンビニでは初めての試みです。

 初めてと言えば、私たちが2011年1月に軽井沢で、コーヒー実験販売を始めたのも、最も早い「コンビニでコーヒーを」の試みでした。コーヒーには、こだわりがあるんです。

 コーヒーは嗜好品。商品として販売するだけではなく、お客様からオーダーをいただいて、丁寧に淹れて、手渡しする。そんなことも大切にしてきました。ただコロナ禍でお客様との接触を控える必要が出てきたとき、あらためて「お客様のご要望に応える、品質へのこだわり」というところを見直したんです。

 コーヒーを淹れるマシンはエスプレッソ用を導入する。豆は国内で焙煎した新鮮なものを速やかに店舗へ。ミルクは「牛乳」にこだわる。できたてコーヒーとして、お客様に選んでいただける品質を追求するようになりました。

そんな試行錯誤の中で、コーヒー好きのお客様から、たとえば「朝はちょっと濃いめのものを飲んで、昼は普通くらい。夜は軽めのものがいいかな」という話もよく耳にしました。「それなら!」ということで、コーヒーの濃さもお客様の好みや、そのときの体調、季節や時間帯などに合わせて、さまざまに「楽しんで選んで」いただく。そういった試みもやってみようということになりました。

 喫茶店やカフェのものと比べて、手頃な価格で買える気軽さも魅力です。肩ひじ張らずに毎日を楽しむためのお供に、ぜひお試しいただけると嬉しいです。

◎竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

※AERA 2024年6月10日号