北朝鮮ミサイル発射、異例の十数発…迎撃回避能力を誇示か

AI要約

北朝鮮が複数の弾道ミサイルを発射し、日本の排他的経済水域外に落下したことが発表された。

日本や周辺国は情報収集、警戒監視に努め、北朝鮮の行動を非難して連携を強化している。

北朝鮮は短期間に多数のミサイルを発射する異例の行動を起こしており、状況が緊迫している。

 防衛省は30日午前、北朝鮮が同日午前6時13分頃、複数の弾道ミサイルを内陸部から北東方向に向けて発射したと発表した。いずれも朝鮮半島東の日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと推定している。韓国軍合同参謀本部によると、ミサイルは短距離で十数発発射されたという。

 防衛省によると、少なくとも1発は最高高度が約100キロ・メートルで、約350キロ・メートル以上飛行した。航空機や船舶への被害は現時点で確認されていないという。韓国軍合同参謀本部は、北朝鮮の首都平壌(ピョンヤン)北部の順安(スナン)付近から発射されたと発表した。

 岸田首相は「発射は国連(安全保障理事会)決議違反だ」と非難し、情報収集や警戒監視に努め、日米韓で連携すると述べた。首相官邸で記者団に語った。政府は北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に抗議した。

 日米韓の外交当局は30日午前に電話協議を実施し、引き続き3か国で連携していくことを確認した。協議には、外務省の浜本幸也アジア大洋州局参事官、米国務省のジュン・パク北朝鮮担当、韓国外交省の李●一(イジュンイル)朝鮮半島政策局長が参加した。

 北朝鮮が同時に十数発を発射したのは、迎撃を回避する能力を誇示する狙いがあったためとみられる。韓国の聯合ニュースは「北朝鮮がこれほど多くの数を一度に発射するのは異例だ」と伝えている。北朝鮮は2022年11月に短距離弾道ミサイルなど20発以上を1日に数回に分けて、日本海や朝鮮半島西側の黄海に向けて発射。同年6月5日にも約35分間に短距離弾道ミサイル8発を日本海に向けて発射している。

 北朝鮮の朝鮮中央通信は28日、軍事偵察衛星を27日に打ち上げたが、失敗したと伝えていた。6月下旬には朝鮮労働党の重要会議である中央委員会総会を控えており、日韓両国は金正恩(キムジョンウン)党総書記が打ち上げ失敗を受け、新たな挑発を行う可能性があるとみて警戒していた。