マクドナルド公認の「ワクドナルド」?!NYで日本人漫画家が魅せる実力 「MANGA」は確立したジャンルに 

AI要約

ニューヨークで開催されたアニメNYCがMANGA熱で盛り上がっている。会場では日本の漫画家Acky Brightさんの作品や制作過程が展示され、アニメファンを引きつけている。

22日には第1回アメリカン・マンガ・アワードが発表され、マンガ界の専門家による6部門の受賞者が選出された。また、日本の漫画を英訳したフレデリック・ショットさんがマンガ出版殿堂賞を受賞した。

アメリカでのマンガの普及に貢献するAckyさんやショットさんは、今後も活動を広げていく意向を示している。

マクドナルド公認の「ワクドナルド」?!NYで日本人漫画家が魅せる実力 「MANGA」は確立したジャンルに 

アメリカ・ニューヨークがMANGA熱で盛り上がっている。

23日に北米最大級のアニメイベント「アニメNYC」が開幕し、それに合わせて開かれている特別プレビューの会場にもニューヨーカーが足を運んでいる。

「ほら、ここに“ワクドナルド”って」

2024年2月、支局のプロデューサーが「ワクドナルド(WcDonald’s)」と書かれた紙袋に入った「マクドナルド(McDonald’s)」のチキンナゲットを持ってきた。

こんなシャレが効いたことをマクドナルドはやるんだ…と思いながら、「ワックナゲット」を分けてもらったのを思い出した。

特別プレビューでは、パッケージをデザインした日本の漫画家でイラストレーターのAcky Bright(アッキー・ブライト)さん自らもギャラリーに立つ。ジャパン・ソサエティ内の会場には「ワクドナルド」作品のせりふや構図、コマ割りが描かれた「ネーム」(=編集者に提出する下描き)なども展示され、アニメファンではなくとも見入ってしまう展示だ。

制作過程についてAckyさんは「日本のアニメやマンガでずっとパロディとして使われていた(MをWに)ひっくり返した『ワクドナルド』について、本家が『パロディにしたマンガとアニメを作りたい』と依頼してきて・・『こんな面白いことないな!』と思って参加した次第です。それが広がって、今世界中に展開されているキャンペーンになっています」と明かす。

会場の真ん中には大きな窓のような透明な板が設置され、Ackyさんが実際に作品を描く様子を両側から生で見ることができる。

22日、アメリカにおけるマンガ振興に貢献した人に贈られる「第1回アメリカン・マンガ・アワード」も発表された。

これは、マンガ界の専門家が6部門にわたり受賞者を選出するもの。あわせて発表された「マンガ出版殿堂賞」には手塚治虫さんの「鉄腕アトム」などを英訳したフレデリック・ショットさんが輝いた。

ショットさんは、流ちょうな日本語で受賞の喜びを語った。

「ものすごく光栄です。今回の賞の特徴は(選考の)参加者のほとんどがレタリングとか翻訳とか、編集に携わっているプロだという点です。自分が今まで受賞した賞と大きく違います。MANGAはこれからもアメリカの若い人たちにますます広く読まれるだろうし、期待しています」

アメリカでの活動が中心のAckyさんも「MANGA」普及の手応えを感じているという。

「アメリカではまだマンガを知らない人もたくさんいるので、これから伸びていくし、それ以外の国・・タテにもヨコにも広がっていくなというのは、逆にアメリカで活動していて実感しています」

今年のアニメNYCには期間中、10万人の来場者が見込まれている。アメリカの「COMIC」とはちがう「MANGA」というジャンルがどこまで存在感を大きくするのか、注目だ。

【取材・執筆:FNNニューヨーク支局長 弓削いく子】