F-16戦闘機がついにウクライナで実戦配備 最新の防御システムも搭載

AI要約

デンマークとオランダがウクライナにF-16戦闘機を供与し、実戦配備された。

ウクライナ空軍に就役したF-16AM/BMには改良と追加装備が施されている。

ウクライナのカラーリングを施したF-16が公開され、防空面での役割が示された。

F-16戦闘機がついにウクライナで実戦配備 最新の防御システムも搭載

デンマークとオランダがウクライナへのF-16戦闘機の供与を表明してから1年後、ようやく第1陣がウクライナに到着し、実戦配備された。

ウクライナ空軍で就役したのは、F-16の就役中近代化(MLU)型でデンマーク軍が保有していたF-16AM/BM。このモデルに期待される改良はすべて実施されているほか、ロシアによる全面戦争が2年6カ月目に入るなか、疲弊したウクライナ空軍にとって非常に役立ちそうな追加装備も搭載されている。

ウクライナ大統領府は4日、ウクライナのカラーリングを施したF-16の初の公式写真・映像を公開した。赤外線誘導のAIM-9サイドワインダー空対空ミサイルやレーダー誘導のAIM-120 AMRAAM(アムラーム)空対空ミサイルなどを搭載したF-16をお披露目し、それを通じてこの超音速機がウクライナの防空面で果たすことになる役割を示した。

画像を詳しく見ると、主翼裏の中ほどに自己防御システム内蔵型のパイロン(懸吊装置)が装着されているのがわかる。こうした自己防御システムは危険な空域で運用される戦闘機に必須のものであり、言い添えておけばウクライナの上空は現在、世界で最も危険な空域である。

左の主翼に見える自己防御システムは、「PIDS+」(パイロン一体型妨害手段投射システム、ミサイル警戒装置付き)か「ECIPS+」(パイロン一体型電子戦システム、ミサイル警戒装置付き)とみられる。イスラエルのエルビット・システムズ社とそのパートナー、デンマークのテルマ社が共同生産しているPIDS+とECIPS+は数年前から、欧州諸国が運用するF-16に装備され始めた。

PIDS+は、レーダーや赤外線で誘導されるミサイルを欺くチャフ(妨害用の金属片)やフレアを投射し、AN/AAR-60ミサイル警戒装置も付属する。ECIPS+は、チャフやフレアによるアクティブ防護を補完するパッシブ防護として、地上などのレーダーを無効化するAN/ALQ-162ジャマー(電波妨害装置)などを備える。こちらもAN/AAR-60が付属している。