台湾の消費者保護団体、小林製薬の紅麴サプリ問題で集団訴訟の意向

AI要約

台湾の消費者保護団体が小林製薬の紅麴サプリメントによる健康被害問題を受け、損害賠償を求める集団訴訟を8月以降に起こす意向を表明。

訴訟に参加する意向を述べた摂取者は30人以上で、30万~50万台湾ドルの賠償を請求する方針。

小林製薬は健康被害の深刻さや因果関係の有無について把握できておらず、現地での対応に誠意を持って取り組む意向。

 小林製薬(大阪市)の紅麴(こうじ)サプリメントの健康被害問題を受け、台湾の消費者保護団体は28日、同社の台湾法人を相手取り、損害賠償を求める集団訴訟を8月以降に台湾の裁判所に起こす意向を明らかにした。同社の紅麴を使った製品を摂取した30人以上が訴訟に参加する意思を示しているという。

 台湾の中央通信社によると、団体側は1人あたり30万~50万台湾ドル(約148万~248万円)を請求する方針。健康被害が深刻なケースについては、別途診断書に基づいて請求するという。

 訴訟に参加する意向を示す人の中には、摂取後に慢性腎臓病と診断されるなど健康被害を訴える人がいる一方で、症状が出ていない人も含まれるという。

 小林製薬によると、台湾では企業向けに紅麴原料を卸していたのみで、消費者向けの製品は販売していなかった。健康被害についても直接は把握できていないという。

 小林製薬は現地での対応について「因果関係の有無の確認など一定の手続きが必要になるが、誠意を持って対応したい」としている。(台北=高田正幸)