ボリビア官庁街に軍部隊集結 大統領は「クーデター」と非難

AI要約

ボリビアのラパスで軍隊が政府官邸周辺に集結し、一部が突入を試みる事件が発生。大統領はこれをクーデターと非難。

軍の司令官は改革を目指すと表明し、反政権行動であることを認める。装甲車や兵士が広場に侵入し、大統領官邸に向かう様子が観測される。

エボ・モラレス元大統領の影響力や今後の政局の混迷も指摘されており、混乱が続いている。

【AFP=時事】南米ボリビアの政府所在地ラパス(La Paz)で26日、軍部隊が装甲車を動員して政府庁舎前に集結、一部は大統領官邸への突入を試みた。ルイス・アルセ(Luis Arce)大統領はこれを受け、テレビ演説で「クーデター」だと非難した。

 AFP記者は、兵士や装甲車が大統領官邸や国会議事堂が立ち並ぶムリジョ広場(Plaza Murillo)に侵入するのを目撃した。1両の装甲車は大統領官邸の金属製ドアの破壊を試みていた。

 大統領官邸前で兵士や装甲車8両に囲まれた軍のフアン・ホセ・スニガ(Juan Jose Zuniga)司令官は、「少数の同一の人物によって30年間も40年間も運営されるような民主主義ではなく、真の民主主義をもたらすため、軍は改革する考えだ」と述べ、反政権行動であることを認めた。

 AFP記者によると、部隊はその後、広場から撤収した。

 スニガ司令官は24日、テレビ出演し、2025年の次期大統領選にエボ・モラレス(Evo Morales)元大統領が出馬するなら身柄を拘束すると表明。翌25日以降、スニガ氏は解任されるのではないかとの臆測が浮上していた。

 左派のモラレス氏は先住民初の大統領経験者。当初、国民の間で人気が高かったが、憲法で4選が認められていないにもかかわらず2019年の大統領選に出馬。勝利したものの選挙不正に対する抗議運動が広がり、結局辞任・亡命した。

 2020年10月、元盟友のアルセ氏が大統領選で勝利した後、帰国していた。現在は両者は対立関係にある。【翻訳編集】 AFPBB News