北の弾道ミサイルは200キロ超飛翔 韓国軍消息筋「極超音速の実験に失敗」

AI要約

北朝鮮が日本海へ向けて弾道ミサイルを発射し、失敗したと推定される。被害は確認されていない。

日本政府が国連安全保障理事会決議違反として非難し、北朝鮮に厳重に抗議した。極超音速ミサイルの特性や日米韓の対応も報じられている。

北朝鮮は散布行為も行い、韓国との緊張が高まっている。これまでのミサイル発射や散布行為の経緯も紹介されている。

北の弾道ミサイルは200キロ超飛翔 韓国軍消息筋「極超音速の実験に失敗」

北朝鮮は26日午前5時28分ごろ、平壌付近から日本海へ向けて弾道ミサイルを発射した。日韓両当局が発表した。韓国軍は、失敗したと推定されるとの分析を示した。日本政府によると、ミサイルは日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したもようだ。被害は確認されていない。

韓国の聯合ニュースは、北朝鮮が極超音速ミサイルの発射実験に失敗したとの韓国軍消息筋の見方を伝えた。日本の防衛省によると、最高高度約100キロで、200キロ以上飛翔(ひしょう)した。

極超音速ミサイルは一般的にマッハ5(音速の5倍)以上の速度で飛翔し、低高度で変則軌道をとるため探知が難しい。

日本政府は、今回の発射が国連安全保障理事会決議に違反し、国民の安全に関わる重大な問題だとして、北朝鮮を非難し、厳重に抗議した。

日米韓は近く、朝鮮半島周辺で新たな共同訓練「フリーダムエッジ」を実施する予定で、米原子力空母セオドア・ルーズベルトが22日に韓国南部の釜山(プサン)に入港した。

北朝鮮はこれに反発しており、今回の発射には日米韓を牽制(けんせい)する狙いもありそうだ。北朝鮮の国防次官は24日、談話で米韓に対して「圧倒的で新たな全ての抑止力示威の可能性を完全に開いておく」と警告していた。

北朝鮮は25日夜にごみなどをぶら下げた風船を韓国に向けて大量に散布した。5月28日以降、6回目の散布。韓国は対抗措置を辞さない構えで、緊張が高まっている。

北朝鮮による弾道ミサイルの発射は5月30日に短距離弾道ミサイル18発を一斉発射して以来。(小沢慶太、ソウル 桜井紀雄)