メッカ大巡礼の死者1300人超える 8割は無許可の「非正規」巡礼者

AI要約

サウジアラビアのハッジで死者が相次いでいる。死者は1301人に達し、その83%は非正規の巡礼者だった。死因は直射日光や熱中症など。気温50度を超える日もある中、1301人の死者が出た。

ハッジはイスラム教の五行の一つで、今年は180万人以上が参加。しかし、エジプト人を中心に非正規巡礼者が増えており、許可なしでハッジに行く人も多い。こうした非正規の巡礼者は冷房のない避難場所を使えず、長時間歩くことも多い。

22日、エジプト政府が許可なしで巡礼者を送ったとして国内旅行会社16社に免許取り消し処分が下された。非正規巡礼者の問題が表面化している。

メッカ大巡礼の死者1300人超える 8割は無許可の「非正規」巡礼者

 イスラム教の聖地であるサウジアラビア西部メッカへの大巡礼(ハッジ)で死者が相次いでいることを巡り、サウジのジャラジル保健相は23日、国営テレビで、これまでの死者は1301人に上ったと明らかにした。ロイター通信が伝えた。死者の83%は政府の許可を得ていない「非正規」の巡礼者だったという。

 報道によると、ジャラジル氏は、死者が相次いでいるのは「直射日光の中で長距離を歩いているため」と説明。死者には慢性的な持病を抱える人も含まれているとしているが、メッカでは6月、気温が50度を超える日もあったことから、熱中症にかかった人も多いとみられる。

 ハッジはイスラム教の「五行」の一つで、サウジは毎年、参加者に特別なビザを発給している。AFP通信によると、今年は外国人160万人を含む180万人以上が参加した。

 一方、2019年に観光ビザが解禁されて以降、エジプト人を中心に許可なしでハッジに行く人も増加している。こうした非正規の巡礼者は冷房のある避難場所などを使えないうえ、サウジ当局の取り締まりを避けるため長時間歩くケースも多いという。ロイター通信によると、エジプト政府は22日、許可なしで巡礼者をハッジに送ったとして、国内の旅行会社16社の免許をはく奪したと発表している。【カイロ金子淳】