麻薬密売組織の80億円以上を資金洗浄、中国人ブローカーら24人起訴…米司法省

AI要約

米司法省は、中国人ブローカーら24人を米国での麻薬密売収益の資金洗浄に関与した罪で起訴。中国人投資家の資金をマネーロンダリングし、麻薬組織に流した疑い。

中国の富裕層が地下銀行を介して米国に多額の投資をし、合成麻薬製造に使う化学物資を購入。中国政府は外貨制限を採用している。

米麻薬取締局長官は、シナロア・カルテルと中国、ロサンゼルスでの犯罪組織の協力関係が浮上。麻薬密売と複雑なマネーロンダリングが明るみに出た。

 【ロサンゼルス=後藤香代】米司法省は18日、メキシコの麻薬組織「シナロア・カルテル」が米国で密売した麻薬の収益5000万ドル(約80億円)以上の資金洗浄(マネーロンダリング)に関与した罪で、中国人のブローカーら計24人を起訴したと発表した。

 発表によると、ロサンゼルスを拠点にするグループのメンバーらも起訴されている。グループのメンバーは、2019~23年、中国側のブローカーと共謀し、中国人投資家による米国での不動産購入などに麻薬密売収益を利用する代わりに、投資家が中国の地下銀行に送った資金を麻薬組織に流した罪に問われている。

 ブローカーらは、投資家が地下銀行に送った金で、合成麻薬「フェンタニル」の製造に使う化学物資などを購入し、輸出先のメキシコ企業を通して麻薬組織に流したとみられる。

 捜査を担った米麻薬取締局(DEA)のアン・ミルグラム長官は18日の声明で、「シナロア・カルテルとロサンゼルスや中国で活動する犯罪組織との協力関係が明らかになった」と述べた。

 中国政府は人民元の流出を防ぐため、1人あたり年5万ドル超の外貨両替を制限している。司法省によると、中国の富裕層が地下銀行を介して米国に多額の投資をするケースは後を絶たないという。