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東京都の出生率0.99よりヤバい韓国ソウル市「パイプカットを元に戻す手術費を負担します」
東京都の出生率が低下し、ソウル市が新たな少子化対策として、避妊手術を元に戻す手術の費用を支給する方針を打ち出した。
手術費や医療費の負担を軽減するため、一人当たり730ドルの支援が約100人に予定されており、その他の医療費支援も計上されている。
しかし、少子化の主な原因は育児とキャリアの両立の難しさや費用の高さであり、手術を受けた人たちは新たな子供を望む可能性が低い。
![東京都の出生率0.99よりヤバい韓国ソウル市「パイプカットを元に戻す手術費を負担します」](/img/article/20240611/666820a7f1252.jpg)
東京都の合計特殊出生率が0.99まで落ち込んだニュースに衝撃が走るなか、世界最低水準の0.55を記録しているのがソウル市だ。そのソウル市が新たな少子化対策を発表したが……。
韓国のソウル市が少子化対策として、精管結さつ術(パイプカット)や卵管結さつ術を受けた人が、それを元に戻す手術をした場合、その費用を負担するという方針を打ち出した。
先ごろ公表された予算案によると、市は一人当たり最大730ドル(約11万5000円)を約100人に支給する予定だ。手術費のほか、薬代や入院費も含まれる。
韓国ではパイプカットや卵管結さつを元に戻す手術はすでに健康保険の適用内となっており、市からの支給はさらなる費用の軽減につながる。
この計画に割り当てられた約7万3000ドルは、少子化対策予算のごく一部である。ほかにも、35歳以上の妊婦に対する医療費支援として約590万ドルが計上されている。
市によれば、その目的は「妊娠を希望する家族の経済的負担を軽減するため」だ。しかし、この支援策は、妊娠を防ぐために避妊手術という決定的な医学的措置を選択した人々までターゲットにしている。
また、韓国の少子化の一因は妊娠・出産時の経済的負担というよりも、育児とキャリアの両立の難しさや子育てにかかる費用の高さにある。
昨年、3人目の子供ができたときにソウルでパイプカット手術を受けたパン・ドサン(32)は、この新しい政策に懐疑的だ。
「無意味だと思います。すでにパイプカットをした人たちが、さらに子供をつくるためにそれを元に戻すとは思えません」
広告業界で働くパンは、そもそもパイプカットを受けた主な理由は、子育ての社会的・経済的プレッシャーだったと説明する。
パイプカット術と卵管結さく術は、後者のほうが侵襲的で合併症のリスクが高く、元に戻すのも難しい。
スタンフォード大学医学部によれば、パイプカット再建術をした後に子供をつくることができる確率は約90~95%であるのに対し、クリーブランド・クリニックによると、卵管結さくを元に戻した後の妊娠率は50~80%と幅がある。
韓国の国民健康保険のデータによれば、ソウルでは年間約110件のパイプカット再建術がおこなわれている。
ソウルにあるメンズクリニックの泌尿器科医ユ・ソクソンは、これまで執刀した数千件のパイプカット手術のうち、のちに再建術を希望する患者は「1~2パーセント」だという。