中国は量子技術に153億ドル投入するが…韓国は予備調査も2年間通過せず(2)

AI要約

韓国政府が量子技術への投資計画を遅延しており、急ぎ支援が必要である。

量子技術の成長には政府の本格的支援と量子人材の養成が必要である。

量子技術とAIの関係や市場の成長見通しなど、将来性のある分野についても述べられている。

◆出遅れた韓国は急ぐべき

昨年、韓国政府は量子技術に3兆ウォン(約3400億円)を投資すると発表したが、実際には従来の計画の1兆ウォン台の量子技術支援事業も2022年以降まだ予備妥当性調査を通過していない。政府は4日、研究開発(R&D)分野では予備妥当性調査を廃止すると発表した。AI・バイオ・量子のような未来先端技術に予算を適時に投入するためだ。ただ、廃止が実現するには国会で国家財政法改正案が通過しなければならない。

モーア教授は「韓国の過去の技術基盤成長経験を考慮すると、政府の本格的な支援さえあれば量子市場で十分に潜在力があるはず」とし「韓国は現在、多くの部品、機械、装備を輸入に依存しているだけに、量子関連の生態系(機器-部品-ソフトウェアなど)のバリューチェーンを再編することに集中する必要がある」と助言した。

特にモーア教授は量子人材の養成を強調した。「世界的に量子機器・ソリューションを扱う量子科学者が不足していて、技術の導入が遅れている」とし「2018年以降、量子技術採用公告は毎年37%ずつ増えているが、現在、量子分野の雇用の2件に1件は空席」と話した。マッキンゼーによると、最近の人材養成は欧州に集中している。

解決策として産学協力と革新クラスターを強調した。モーア教授は「量子技術は資本投資、物理的インフラ、標準化、教育、最先端ハードウェアなどをあまねくそろえなければいけない」とし「複数の利害関係者が参加する革新クラスターが注目されている」と説明した。そして韓国で世宗市(セジョンシ)とKAIST(韓国科学技術院)が結んだ量子生態系協力などを例に挙げた。

◆AIと量子は「デジタル双子」

モーア教授は「AIと量子技術はデジタル双子のようなものだ」と話す。「生成AIを実行するのに必要な演算能力の限界を量子コンピューティングが解決でき、反対に量子ソフトウェア最適化開発はAIを活用すれば速度を高めることができる」ということだ。AIと量子は互いに壁を突破する相互補完技術であり、共に備える場合に破壊力が増すということだ。

マッキンゼーは量子技術市場が2040年に1730億ドルに、量子コンピューティングは1310億ドル規模に成長すると見込んでいる。活用潜在力が大きい分野は製薬・金融・モビリティー・化学などだ。量子技術を活用してバイオ産業分子構造の研究開発を革新し、膨大なデータ処理でスマートモビリティーを実現し、金融ポートフォリオを最適化し、化学分野の新素材も開発できるという。モーア教授は「AIを通じて技術がビジネスを革新する可能性があることを見たように、産業のリーダーたちは量子技術に対する戦略を今から樹立する必要がある」とし「マッキンゼーは量子コンピューティングが事業にどのような変化や改善をもたらすかについて顧客をサポートする」と述べた。