# 自然薯の産地化 2024.07.12 無上の佳味(7月12日) 〈無上の佳味として、上は万乗の君の食膳にさえ上せられた〉。芥川龍之介の短編「芋粥[いもがゆ]」にある。自然薯[じねんじょ]とも呼ばれる山の芋を切り込み、甘葛[あまづら]の汁で煮た粥を指す。いにしえの貴人もとりこにしたようだ▼小説の舞台は平安朝。風采の上がらぬ赤鼻の侍は芋粥へ異常な執着を持つ。