# 大江健三郎 2024.07.08 大江の像を大胆に塗り替え、戦後日本の内実を見つめ直す―井上 隆史『大江健三郎論 怪物作家の「本当ノ事」』橋爪 大三郎による書評 著者は三島由紀夫の研究家。大江健三郎を避けてきた。最近読み始めその怪物性に驚く。≪本書で私が提示した大江像は、民主主義者、平和主義者として一般に共有されている大江像とは大きく異なる≫のだ。どこが怪物か。大江は皇国教育を受けた後、フランス文学にかぶれて小説家になった。翻訳文体で見か