【巨人】報われた「阿部野球」自己犠牲の精神つなぎ吉川尚輝が延長12回サヨナラ打

AI要約

巨人が強敵を相手に阿部監督の采配でサヨナラ勝ちを収める

試合中に賛否を受けたオコエのセーフティースクイズや得点圏での苦戦について

阿部監督の自己犠牲の精神やチーム全体の野球に対する姿勢が勝利につながる

<日本生命セ・パ交流戦:巨人1-0ソフトバンク>◇29日◇東京ドーム

 巨人が“阿部野球”を貫き強敵から今季3度目のサヨナラ勝ちで1勝をもぎとった。延長12回、先頭丸が左前打で出塁した。代走にオコエを送り、代打小林の犠打で1死二塁。吉川が初球を右越えへのサヨナラ二塁打で勝負を決めた。8回から5イニング連続で得点圏に走者を進め、最後の最後で報われた阿部監督は「本当に遠い1点だったと思いますけど、勝ったんでうれしいです」と喜んだ。

 交流戦初戦だった29日は、1点を追う6回無死一、三塁でオコエの3球連続のセーフティースクイズが得点につながらず賛否を受けた。ここまでの得点圏打数は369打数でセ・リーグ2位タイ。一方で得点圏打率は1割9分5厘で同ワーストにとどまり、総得点数114は12球団ワーストと低調を極める。「だから、無死一、三塁でセーフティースクイズやるんですよ。その気持ちは分かってください」と思いの一端を明かした。

 シーズン前にチーム全員の前で約束した。自己犠牲の精神を持ち、チームとして1つ先の塁を狙う。「僕が始まった時に言ったことですし、こういう勝ちはでかいし、1点もぎ取るんだっていう、そういう野球を僕はぶれずにやっていきます」と4時間29分の大接戦に手応えを見いだした。

 潮目を変える1勝にすべく次戦がまたさらに大事な一戦になる。「野球って難しいなって思いながら見たりサイン出したりしている。爆発するか分からないですけど、何とか野手で勝ったという試合を、1試合でも多く作ってほしいなと思います」と阿部監督。収穫と課題を持って次戦に臨む。【為田聡史】