阪神佐藤輝明を「オレなら直せる」日本ハム新庄監督が言い切った「原点に返れ」

AI要約

甲子園での阪神の交流戦初戦が悪天候のため中止に。日本ハムの新庄監督が大きな注目を集める一方、阪神には現在スター選手の存在がいないか疑問が投げかけられる。

阪神の現在最大のスターは監督の岡田彰布であり、選手に関しては佐藤輝明が将来的なスター候補として挙げられる。しかし、佐藤は不振に陥りファームに降格している。

新庄監督は過去に自身も話題を振りまいた経験があり、佐藤輝に対してメンタル面を指摘し、自らであれば直せると語っている。新庄の個性と経験が、今の佐藤に必要な影響を与える可能性もある。

阪神佐藤輝明を「オレなら直せる」日本ハム新庄監督が言い切った「原点に返れ」

 さすがスター。そんな感じです。甲子園で予定されていた阪神の交流戦初戦・日本ハム戦は午後4時40分、悪天候のため、中止になりました。その直前「様子はどう?」と甲子園ロビーに登場したのが日本ハム新庄剛志監督でした。

 すると関係者の注目を一身に浴びます。甲子園と新庄…。かつてを知る人、いや知らない人でもそのオーラは感じてしまう。スターというのはこういう存在を言うのでしょう。

 そこで思うのは阪神の現状です。虎党にはファン、ひいきの選手はいるでしょう。しかし誰もが「彼は別」と言う、いわゆるスターという存在がいるか、と言えばどうか。

 独断ですが現在、阪神最大のスターは岡田彰布監督かもしれません。一挙手一投足がメディアに取り上げられるのはもちろん、それを意に介さない姿勢でいられるのがスターの条件という感じがするからです。

 では選手にはいないでしょうか。いると思います。ズバリ、佐藤輝明。大きな体で当たればどこまでも球を飛ばすパワーを秘めています。見た目もつかみどころがない。普段のファッションは今どきの若者風。地元・関西出身でもあり、コンスタントに活躍すれば間違いなくスターと言えるでしょう。

 現在は攻守に結果が出ず、岡田監督の決断でファームにいます。醸し出すムードがマイナスに受け取られることもあるようで、勝負に徹する指揮官からすれば無理もないことでしょう。

 新庄監督も現役時代、いろいろ話題を振りまきました。95年には2軍で遅刻し、正座したことも。時代が違うので一概には言えませんが期待の大きさとそれにこたえられない歯がゆさなど共通するものがあるかもしれません。そこで新庄監督に聞きました。「佐藤輝、どうしたらいい?」。

 「いやあ。だからね。1年目のフォームというか。早くタイミングを取って、浜風に乗せて、左中間に飛球を上げるあの感じを取り戻すことじゃないですか」

 即答でした。実は佐藤輝が新人だった21年、新庄氏は日刊スポーツの企画で阪神・宜野座キャンプをリポートしています。そのとき「1球のファウルで分かった。このコは逆方向にも放り込めるって。ボールへの“入り”がバリー・ボンズに似てますもん」などと評価していたのです。

 その年、佐藤輝は新人ながら活躍しました。だからこそ「原点に返れ」と言いたかったのでしょう。さらに左のこぶしで自分の胸をポンとたたき、こう言ったのです。

 「まあ、ここの問題でしょ?」。メンタル面を指摘しました。それはそう。だから聞いているのです。そう言うと「だって話したこともないし、どんな感じなのかは分からないですよ。でもね…」。

 間を取った後、こう言い切りました。「オレなら直せる」。こういうところが新庄という人。シーズン中は難しいけれど一度、話す機会があればいいのに…などと思ったりするのです。【編集委員・高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「高原のねごと」)