リーグワン初優勝のBL東京「勝因はリーチを主将にしたこと」練習内容、若手への声掛け…効果はてきめん

AI要約

BL東京が埼玉に24−20で競り勝ち、初優勝。過去の名門チームトップリーグ時代を含め2009−10年シーズン以来の栄冠を手にした。

試合は先の読めない展開で4回もリードが入れ替わったが、BL東京主将のリーチ・マイケルが冷静に、前向きにチームを導いた。

リーチは主将として他の選手にスタンダードを示し、練習量の抑制を提案するなどチームにポジティブな影響を与えた。

リーグワン初優勝のBL東京「勝因はリーチを主将にしたこと」練習内容、若手への声掛け…効果はてきめん

◇26日 ラグビーNTTリーグワン1部プレーオフ決勝 BL東京24―20埼玉(東京・国立競技場)

 BL東京(レギュラーシーズン2位)が埼玉(同1位)に24―20で競り勝ち、初優勝した。東芝として5度制覇した前身のトップリーグ時代を含めて2009~10年シーズン以来の頂点。BL東京は0―6の前半27分にWTBナイカブラがトライを挙げるなど10―6で折り返した。後半に再びリードを許したが、17―20の後半34分に途中出場のWTB森が逆転のトライを決めた。

 リードは4回も入れ替わった。先の読めない戦いの中、BL東京のリーチ・マイケル主将は冷静に、前向きに戦い続けた。

 「昨日まではワクワク感と緊張感がすごく強かったけど、今日は落ち着いて試合に入れました」

 試合後の記者会見。横でトッド・ブラックアダー・ヘッドコーチ(HC)が「勝因は、シーズンの初めにリーチを主将にしたことだ」と笑う。HCに着任して5年。リーチには何度も主将就任を要請したが「自分のプレーに集中したい」と固辞されてきた。だが今季は「ウンと言うまでビールを飲ませたよ」。

 効果はてきめんだった。リーチは主将として、周りの選手にも求めるスタンダードを上げた。その一方で、選手の疲弊を避けるため練習量の抑制をHCに直訴。練習の負荷を減らしたことが正確なプレーを生む集中力を養い、自身は練習でも試合でも若手に前向きな言葉をかけ続けた。

 「いつもポジティブな声をかけてくれる」と22歳のロック、ディアンズが言えば25歳のフッカー原田は「今日はいつも以上に、常にタックルしていた。どこにでもいる。すごいです」と脱帽だ。

 人生初の全国優勝。喜びを爆発させるかと思いきや、リーチは淡々としていた。「(埼玉の)堀江さんが今日で引退、もう一緒にできない寂しさが半分あって…」

 16歳でニュージーランドから来日して20年目。日本で人生の過半を過ごしてきた男の深い感慨が表情からあふれていた。