幡地隆寛、悲願のツアー初V ”男子ツアー屈指の飛ばし屋”がマネジメントでスコア積み重ねた4日間【男子ゴルフ】

AI要約

男子ツアー屈指の飛ばし屋が、悲願を成し遂げた。首位と1打差の2位で出た幡地隆寛(30)=ディライトワークス=が5バーディー、2ボギーの67で回り、通算14アンダーで清水大成(25)=ロピア=を逆転。ツアー初勝利を飾った。

最後のホールでの勝利を確信する瞬間、幡地の戦略とテクニックに注目が集まった。場所やクラブの選択から、ゴルフの舞台裏が浮かび上がる。

幡地の初勝利には、遅すぎるとも言うが、これからの活躍が期待される。30歳という若さでの躍進が、ゴルフファンを沸かせている。

幡地隆寛、悲願のツアー初V ”男子ツアー屈指の飛ばし屋”がマネジメントでスコア積み重ねた4日間【男子ゴルフ】

◇19日 男子ゴルフ 関西オープン最終日(滋賀県東近江市、名神八日市CC)

 男子ツアー屈指の飛ばし屋が、悲願を成し遂げた。首位と1打差の2位で出た幡地隆寛(30)=ディライトワークス=が5バーディー、2ボギーの67で回り、通算14アンダーで清水大成(25)=ロピア=を逆転。ツアー初勝利を飾った。

 すでにホールアウトしている2位・杉浦との差は3打ある。幡地が確実に勝つためには、まずはティーショットをフェアウエーに置くこと。18番は初日と3日目に右に落として1罰打を食らった、因縁のホール。3番アイアンを使うと決めたが、ティーエリアに立った瞬間、ドライバーに変えた。

 「最後はドライバーを振り切ろう。振り切って勝ってやろうと思った」

 打ち下ろしの422ヤードのパー4。飛ばし屋が放ったティーショットはきれいなフェードを描いて、フェアウエーど真ん中に落ちた。その距離、実に320ヤードを超えていた。54度のウエッジで確実にグリーンに乗せた瞬間、勝利を確信したという。

 息を抜くことができないテクニカルなホールが続く名神八日市CC。とにかく飛ばして、コースをねじ伏せていくタイプの飛ばし屋が勝つには、なかなかの難敵だった。グリーンの落としどころを逆算し、ティーショットを打ちやすいライに落として、次の番手を選択する。マネジメントでスコアを積み上げていくゴルフを4日間、続けた。

 「ねじ伏せるのではなく、コースに合わせてゴルフをするという発想に切り替えました。考え方を変えたら、ゴルフが変わりました」。ずっと不調だったドライバーの調子も最後に戻った。飛びに加えて、マネジメントの大切さも自らのゴルフに加えた。30歳。遅すぎる初勝利だが、これからの幡地は見ものだ。

 ▼幡地隆寛(はたじ・たかひろ)1993年6月30日生まれ、広島県三原市出身の30歳。188センチ、98キロ。10歳でゴルフを始め、高校はゴルフの強豪校、岡山・作陽高に入学した。東北福祉大4年時の2016年にプロ宣言。300ヤードを超える抜群の飛距離を武器に頭角を現し、今季開幕前のアジアツアー、ニュージーランドオープンでプロ初勝利。今季の平均飛距離1位。