2025年のラインアップ問題に悩むザウバー／アウディ。“若さと経験”のジレンマに直面「今は答える立場にない」

　ザウバー／アウディは、2025年シーズンを見据えるなかで重要な決断に直面している。ニコ・ヒュルケンベルグのチームメイトに経験豊富で安定したベテランを選ぶか、それとも有望な若手の才能に賭けるかということだ。

　アウディが2026年よりワークスチームとしてF1に参戦するうえで、この選択はチームの長期戦略に重要な影響を与えることになる。アウディは当初、2025年にヒュルケンベルグと組むチームメイトとして、カルロス・サインツを確保することを目指していた。しかし、チームの競争力に対する懸念があるなかで、サインツは代わりにウイリアムズに加入するという予想外の決断を下したため、ザウバー／アウディは選択肢を再考することになった。

　アウディのF1プロジェクトを担当することになったマッティア・ビノットは、新たな役割に落ち着くなかで、ザウバーのドライバーのジレンマを解決することを最優先事項のひとつとして特定した。

「ここに来て数週間なので、私にとってはまだ早いことだ。しかし、これは間違いなく判断を下す必要がある。経験を求めるのか、それとも他の何かを求めるのか、ということだ」と、ビノットは先週末にモンツァでメディアに語った。

「これは長期的な目標を見据えたプロジェクトだ。だから（問題となるのは、）今から最終目標までの間に我々にとって何が最善となるかということだ」

「短期間の経験を積んでから別のことに移る方がよいのだろうか？　我々は決定する必要があるが、今日の我々は答える立場にないと思う」

「我々は確かにドライバー候補の全員に耳を傾け、最良の妥協案のために利点と問題点が何であるか評価を行っているところだ」

　現ドライバーのバルテリ・ボッタスが契約延長の有力候補であり続ける一方で、チームは数名の若手ドライバーも検討している。リザーブドライバーであるテオ・プルシェールと、FIA F2の成長株であるガブリエル・ボルトレートも候補として挙げられているし、ミック・シューマッハーとリアム・ローソンも、2025年のチームに関連して取り沙汰されている。

「テオは現リザーブドライバーなので、すでにファミリーの一員であり、間違いなく我々のリストに入っている」とビノットは語った。

「ガブリエルは現在F2で非常に優れた成績を収めており、素晴らしい才能を持っていることを示していると思う。そしてもちろん我々は、他の大勢を見るのと同様に、彼がしていることに目を向けている。我々が注目している名前がこれだけだとは考えていない」

「リストには、素晴らしい可能性、素晴らしい専門知識、素晴らしい経験を持つ多くの名前が載っている。繰り返すが、これは短期、中期、長期的に我々にとって何が最も重要かを判断し、明確な計画を立てる必要がある問題だ。今日、私は今のところ本当に答えを持ち合わせていない」

　アウディ上層部が、F1でのザウバーの現在のパフォーマンスレベルを「容認できない」とみなしているなか、ビノットは、憶測が続いていることがチームの気を散らす要因とならないようにするために、チームのドライバー問題を迅速に解決することの重要性を強調した。

「できるだけ早く決定することになるだろう。疑いの余地はない。なぜなら、来年と将来のためにチームを編成する必要があるからだ」

「我々はまた、憶測を止める必要がある。なぜなら、それは我々の利益にならないからだ。しかしこれまでのところ、何が最善となるかという決断は下されていない」

　2026年のアウディの完全買収に先立ち、再建と競争力のある結果を確保する難しい道を切り開くなかで、チームの選択は将来へのアプローチの基調を決めることになるだろう。

[オートスポーツweb 2024年09月10日]