【競輪 浅井康太コラム「虎視眈々」】“7車結束”を見て思った ファンが見たい勝者、敗者の姿とは

AI要約

小田原記念の準決勝では脇本雄太君が驚異的なスピードを見せ、競輪の進化を感じるとともにトレーニングへの意欲を高めた。

小田原記念競輪の決勝では南関東勢の戦いに注目が集まり、団結した並びに論争が巻き起こる中、別線での戦いがより競輪の魅力を引き出す可能性もある。

選手の自主性を尊重しつつも、先頭や番手での激しい競り合いが見たいという意見がある中、南関東勢のバランスの取り方が注目を浴びる。

【競輪 浅井康太コラム「虎視眈々」】“7車結束”を見て思った ファンが見たい勝者、敗者の姿とは

 小田原記念の準決勝では打鐘から8秒6→8秒9→9秒4で走る脇本雄太君の後ろで…。撃沈しました。これからの競輪はあのスピード域が必要になる。とてもいい経験ができました。そして、しっかりトレーニングをしていく気持ちにもさせられました。

 さて小田原記念競輪の決勝戦。南関東勢の並びに注目が集まったのではないでしょうか!?結果は7車結束。賛否両論あると思いますが、私の考え方としては(南関東勢の自力選手は)割り切って別線で走れば良かったのではないかと思う。

 各自が遠慮せずに優勝を狙いにいける。そして各選手たちが優勝を狙える位置を選ぶことで“勝つ”ということへの気持ちが入り、競輪の魅力や楽しさがさらに生まれるような気がします。

 表彰式では郡司浩平君の表情が硬く、検車場では松井宏佑君の表情もピリッとしていなかった。とてもワンツーを決めた2人とは思えず、私には違和感がありました。だから余計にそう(別線勝負)思う。

 もちろん、いつも同じステージで戦う仲間としてラインを組みたいと思うこと、お世話になったからの気持ちで後ろを固める追い込み勢の気持ちも分かります。でも自力選手が3番手、4番手を走るというレースより、先頭や番手で走るレースが見たくありませんか?

 自力で強い選手が3番手、4番手を固める…。

 うーん…。

 自力選手が豊富な南関東勢。選手側の私からすると、うらやましい悩みだと思います(笑い)。

 一つ言えるのは、昔の追い込み選手みたいな考えを持つ人がいたら、何か変わっていた可能性はあると思います。もちろん、対戦相手に追い込み選手が単騎でいた場合でも並びは変わっていたかもしれません。

 最後になりますが、ラインの並びは各自の気持ちで決まります。その人が決めた位置に文句は言わないし、その人の意思を尊重します。しかし、競輪の面白さを半減させている可能性があることも選手は理解しておいた方がいい気がします。

 第三者目線で考え、今を理解することで、やるべき対応が見えてくるときもあるのではないでしょうか?ファンの方は勝った選手の“笑顔”や、負けても“頑張った姿”を見たいはず。勝った人が表彰式で素直に喜べる並びを見つけてほしいものです。(競輪選手)