日本製鉄室蘭シャークスの松田航瑠投手がU―23W杯日本代表に…北海道から唯一選出「自分のできる仕事だけをやる」

AI要約

野球の第5回WBSC U―23W杯に日本代表メンバーに選出された松田航瑠投手が卓越した投球力で代表入りを果たす。

松田は過去に内野手兼投手だったが、本格的に投手に転向し、サイドスロー挑戦をして成功を収める。

社会人アマチュア選手で構成された侍ジャパンU―23日本代表は大会連覇に向け、松田も自分の持てる力を出し切る覚悟を示す。

日本製鉄室蘭シャークスの松田航瑠投手がU―23W杯日本代表に…北海道から唯一選出「自分のできる仕事だけをやる」

 9月6日に中国で開幕する野球の「第5回WBSC U―23W杯」の日本代表メンバーに、日本製鉄室蘭シャークスの松田航瑠投手(23=星槎道都大)が道内から唯一選出された。激しい競争を勝ち抜いて代表切符をつかんだ釧路市出身のサイド右腕は、大会連覇に向けて腕を振る。

 野球人生16年目。初めて日の丸を背負うときがきた。日本代表だけでなく、プライベートを含めた海外生活も初体験で「背伸びをしないでやっていきたい。合宿でもピッチャーのレベルが高かったので、自分のできる仕事だけをやる」と気を引き締めた。

 釧路江南高時代は内野手兼投手。地区予選で敗退した最後の夏は背番号4だった。星槎道都大進学を機に「ピッチャーがやりたかった」と本格的に投手に転向。当時はオーバースローだったが、広島・滝田一希、東京ガス・伊東佳希ら同級生に好投手が多く「ずっと試合に出られなかったので」と、生き残りをかけて3年冬にサイドスロー挑戦を決断した。

 その選択が功を奏し、強力なライバル2人に負けじと主にリリーフエースとして活躍した。4年時は春、秋リーグ戦、全日本大学選手権の計13試合を無失点と好投。入社1年目の今年5月にはオーバー時代の最速を1キロ上回る145キロをマークした。

 6月末から行われた選考合宿には同じ右サイドの投手が他に3人参加していた。「選ばれても1人だろうなとは思っていた」と、熾(し)烈な争いの中、大学日本代表、ENEOSとの練習試合で無失点と好投。「びっくりしました」と、4人中、松田だけが代表に選出された。

 社会人のアマチュア選手だけで構成された侍ジャパンU―23日本代表は、国内での直前合宿を経て4日に中国入り。大会はA、Bグループに分かれるオープニングラウンド、各組上位3か国が進むスーパーラウンド、決勝と11日間の日程で行われる予定だ。前回の2022年に続く大会連覇に向け、松田は「引っ張れるレベルではないので、自分のできることだけをやりたいです」と謙虚に意気込みを口にした。

(島山 知房)

 ◆松田 航瑠(まつだ・わたる)2001年8月7日、釧路市生まれ。23歳。釧路朝陽小2年時に朝陽ファイターズで野球を始める。道教育大付釧路中では軟式野球部に所属。釧路江南高では2年夏に北北海道大会8強入り。星槎道都大では4年春に全日本大学選手権に出場した。174センチ、76キロ。右投左打。球種はスライダー、ツーシーム、チェンジアップ。家族は両親、日本製鉄鹿島でプレーする兄・彪瑠と弟2人。