中日・落合コーチ「負けて泣くのなんて、まだ早い」2軍再調整の松木平 試合を壊した重みと続投させた意味

AI要約

DeNAが中日に7-1で勝利。落合コーチがマウンドに出ることなく投手陣に指導を行ったが、結果的に3失点を許す。試合を活かすための教訓として、経験と準備の重要性を強調した。

松木平が敗戦投手となりベンチで涙する一幕も。落合コーチは再調整の指示を出し、試合の重みを認識した姿勢を促した。

試合での挫折を克服し、成長する姿勢が求められる。負けて泣くことに早すぎるとし、失敗を生かすための取り組みを示唆した。

中日・落合コーチ「負けて泣くのなんて、まだ早い」2軍再調整の松木平 試合を壊した重みと続投させた意味

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って

◇21日 DeNA7―1中日(横浜)

1回、佐野に先制2ランを打たれ、続くオースティンも左翼線への二塁打。ここで落合投手兼育成コーチが、タオルと水を持ってマウンドへ向かった。その後も牧、宮崎に打たれて3失点。3回にも松木平は再び打者9人の猛攻にさらされた。ストレートの四球に始まり、連打で塁が埋まり、押し出し四球、適時打…。26球を投げ、さらに3点を追加される間、コーチがマウンドに行くことはなかった。

 「1回と2回(ベンチ)で言えることはすべて言いましたから。いつまでも助け舟を出してくれるわけじゃありません」

 投げ合った東の対戦防御率は0・55。数字上のこととはいえ、追加点が入るたびに勝利への扉は閉まっていった。そんな状況で考えるのは、この試合をどう生かすか―。落合コーチはこう続けた。

 「いい勉強にはなったと思います。経験不足。準備不足。準備とはきのうの宏斗をどう見ていたのか。そうすれば(1回の)梶原くんを抑えるヒントはあった。そして、投げられるのは当たり前ではないんだよということです」

 チャンスは平等ではない。松木平に先発マウンドを与えてきた裏で、福谷や柳は2軍で汗まみれになっていた。どんなに打たれても、後ろには必死に守ってくれる野手もいる。悔しさ、情けなさ、申し訳なさ…。降板後の松木平はベンチで泣いていた。2軍で再調整する右腕に、落合コーチは言った。

 「抹消するのは予定通りで、打たれたことが理由ではありません。でもこの思いを洗い流せるくらい、汗をかいてこいとは言いました。泣いている暇はない。負けて泣くのなんて、まだ早い。いい過ごし方をしてこい」

 打たれ、歩かせ、ぶつけて点を取られた。試合を壊した重みを知り、帰ってこい。この失敗を生かさねば、続投させた意味がない。