佐野海舟、新天地デビューで監督や同僚から絶賛の声も…一部サポーターが横断幕で不満をあらわに

AI要約

佐野海舟はマインツでの公式戦デビューを果たし、新天地での白星スタートに貢献するも、サポーターには認められない可能性が残る。

佐野は鹿島アントラーズからの移籍後、不同意性交容疑で逮捕されるも不起訴処分となり、マインツに合流。サポーターの中には問題の不透明なコミュニケーションを批判し、クラブに警鐘を鳴らす声も挙がっている。

クラブは捜査の打ち切りや選手に対する法的決定を尊重しつつ、内部での対話を行い、佐野をチームに迎え入れる決断を下した。一方で、サポーター間での議論は続き、今後の対応が注目されている。

佐野海舟、新天地デビューで監督や同僚から絶賛の声も…一部サポーターが横断幕で不満をあらわに

MF佐野海舟はマインツでの公式戦デビューを果たし、新天地の白星スタートに貢献。だが、サポーターに認めてもらえるのはまだ先となるかもしれない。

先月4日に鹿島アントラーズからの完全移籍が発表された佐野だが、その10日後に都内で不同意性交容疑で逮捕されると、29日に釈放されて1日にプレシーズンキャンプ中だった新チームに合流。マインツは佐野に対する東京検察庁の捜査が終了したことを発表し、その後、不起訴処分となったことが明かとなっていた。

マインツのサポーター集団『Q-Block』は今月15日、「性暴力と闘う!」と題した文章を投稿し、その中で佐野の件でのクラブの不透明なコミュニケーションを批判。「マインツの責任者たちはいつものように沈黙という行動パターンの指示を出している。このような問題を絨毯の下に隠すのはあまりにも多くの面で間違っており、我々や特に性暴力を受けた方々が我慢できるものではない」と主張し、「これにより、すべての被害者の人々やクラブの周囲、そして社会に、マインツ05はこの件の解決に興味を持たないという致命的なメッセージが送られてしまう。それと同時に被害者の声が打ち消され、彼らの真実が否定されてしまう」などと指摘している。

これを受けたクラブは、16日に公式ウェブサイトで「幹部の見解の表明。新加入の佐野海舟に関して公表された文章への反応」と題した声明を発表。「佐野海舟に対する捜査は、東京の検察庁により打ち切られている。選手に対する疑惑に関しては当局の法的決定が我々にとって決定的な意味を持つものとなる」と説明した上で、次のように強調した。

「当然、我々の選手に対する捜査には我々も動揺された。雇用主の我々にとっては、従業員が適用される法律を尊重するだけではなく、我々が公の場で支持し、数多くの社会的プロジェクトを通じて体現する常識や価値観に準じて行動をとることを不可欠と考える。我々はクラブ内でこれら出来事についてしっかり話し合い、可能になり次第、佐野本人と対話した。その中で、彼をチームに迎え入れる決断に矛盾するような情報を得ることはなかった」

「雇用主としては、いかなる捜査に入り込むことはできない。これらは法治国家のみの義務である。ただし、我々には従業員の肖像権やプライバシー権の保護の義務や責任がある。内部での話し合いについては公にコメントすることはない。誹謗中傷や根拠のない主張に断固として対処する。必要に応じ、我々幹部に影響を及ぼすような虚偽の告発に対して法的措置を取る」

この声明が発表された数時間後に佐野はDFBポカール1回戦のヴィースバーデン戦に先発。マインツが延長戦の末に3-1で制したこの敵地でのダービーマッチだが、今月合流したばかりの23歳は120分間プレーし、試合後にはボー・ヘンリクセン監督やキャプテンのFWジョニー・ブルクハルトから絶賛の声があがった。

一方で、地元紙『アルゲマイネ・ツァイトゥング』によれば、60分前後にマインツのサポーター集団『USM』は「サノに関してもクリーンシート(潔白)?」と記された横断幕を掲げたとのこと。同紙は「今後数日間で、この件の扱いをめぐる議論がどのように展開し、マインツ幹部の声明がファンの間でどのように受け止められるかがわかるだろう。いずれにせよ佐野海舟は金曜日の夜、ピッチに限ってはマインツにとって大きな助けになり得ることを印象的に証明した」としている。