大津、4-0で四日市中央工を下し3連勝で決勝Tへ

AI要約

大津がグループJの一戦で4-0で勝利し、グループリーグ3連勝を達成。

大津は新しいシステムに挑戦し、攻撃を強化している。

山下と嶋本がそれぞれの役割を果たし、チームは決勝トーナメント進出を果たす。

大津、4-0で四日市中央工を下し3連勝で決勝Tへ

 第12回和倉ユースサッカー大会 2024は7日に大会2日目を実施。グループJの大津と四日市中央工の一戦はMF13嶋本悠大(3年)の先制点を皮切りに得点を重ねた大津が4-0で勝利し、グループリーグ3連勝を達成した。

 先日行われたインターハイでは優勝候補に挙げられた大津だったが、阪南大高に敗れ、初戦敗退。「優勝を狙っていた中、初戦にかける想いという部分で相手に上回れてしまった」と振り返るのはFW9山下景司(3年)で、苦戦を強いられた県予選同様、引かれた相手をいかに崩すかが課題となった。

 冬の選手権に向けて、更なる進化を遂げるため、今大会からは新たな取り組みにチャレンジ。これまでの4-4-2から4-1-4-1にシステムを変更し、相手がどんな対策をしてきても点が取れるチーム作りを目指している。

 新システムによって相手ゴール前での存在感が増しているのは、ボランチからシャドーにポジションを上げた嶋本。「個人的には点に絡む仕事が要求されていると思うので、しっかり数字に拘って、これからやっていきたい」と話す通り、シャドーの位置から前方やサイドに飛び出し、攻撃をけん引すると試合開始直後にはMF44舛井悠悟(3年)がスピードを生かして右サイドを縦突破。中に送ったボールのこぼれ球を嶋本がボレーで叩き込み、大津が幸先の良いスタートを切った。

 1点取ってからも攻撃の勢いは衰えない。「インターハイの時にブロックを敷かれた中、人が動かず相手が構えたところに仕掛けて全部跳ね返されてしまった」(山下)という課題を踏まえ、相手の状況を見て選手がポジションを入れ替えながらボールを動かして相手を翻弄。特に縦と中を自在に使い分けたDF25野口悠真(3年)とMF83溝口晃史(3年)の両SBは捕まえづらく、四中工を押し込む原動力になった。すると、6分にはPA右でボールを受けた山下が強引にゴール前に入って打ったシュートが決まり、リードを2点差に広げる。

 対する四中工は格上といえるプレミアリーグ勢の大津と対戦し、全国基準を知れる格好のチャンス。「守備とか奪われた後の切り替え、囲い込みがとても速かった。セカンドボールを先に拾われたし、思うように背後も取れなかった」と口にするのはFW51増田莉久(2年)で、前半は思い通りに見せ場を作れなかった。惜しい場面は前半5分にDF4水谷忠豊(3年)のパスからMF13若松音冬(3年)が放ったクロスバー直撃のミドルシュートぐらいだったが、後半の立ち上がりは積極的に相手ゴールを目指す場面が見られた。

 後半3分には右前方にボールが落ちると先に反応したDFに競り勝った増田がシュートまで持ち込んだが、GK41坊野雄大(3年)がセーブ。3分には左サイドでボールをおさめた増田が右前方にパスを展開し、MF7小久保圭皓(3年)がフリーでシュートを放ったが1点が奪えない。

 後半に入ってからの大津はボールロストが増えたが、少なくなったチャンスをしっかりシュートまで持ち込み、後半7分には嶋本のスルーパスから舛井がシュート。左ポストに当たったこぼれ球を山下が押し込むと、直後の9分にも4点目をマーク。4-0の大差で試合を終え、決勝トーナメント進出を手にした。

 ストライカーとしての仕事を果たした山下は「相手がどんな戦い方をしてきても何点でも取れるようにチームとしてもっと成熟させていきたい。個人としては相手が引かれた中でもどんな形でも点が取れるようになっていけば、どんなにチームが上手く行かなくても1点取って勝ち切ることはできる」とコメント。「あとは選手権しかない。きちんと勝って、良い形で高校生活を終えたいです」と口にするのは嶋本で、夏に味わった悔しさを晴らすための準備を進めていく。

(文・写真=森田将義)