タイトリストの新ドライバー『GT』が日本上陸! 現行モデルとの違いは「打感がやわらかい」「初速が出る」

AI要約

PGAツアーで話題のタイトリストの新ドライバー『GTシリーズ』が注目を集めている。選手たちによるテストや即投入の様子が明らかになっている。

選手たちの評価では、打音がやわらかくなり、操作性がアップした『GT』ドライバーが飛距離も伸びてミスにも強いと高評価を受けている。

日本でも多くの選手が新ドライバーを投入する様子が見られ、今後の競技シーンでの活躍が期待されている。

タイトリストの新ドライバー『GT』が日本上陸! 現行モデルとの違いは「打感がやわらかい」「初速が出る」

米PGAツアーでは6月の時点で40人を越える選手が投入して話題となったタイトリストの新ドライバー『GTシリーズ』。国内でも今週の「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ」から、選手たちへのシーディングが始まった。幡地隆寛をはじめ、契約選手たちが練習場やコースでテストを行い、即投入を決めた選手もいる。

■打感がやわらかくなって操作性がアップ

ツアー屈指の飛ばし屋で、今年の「関西オープン」でツアー初優勝を飾った幡地隆寛は『TSR4』→『GT4』に変更する見込み。「操作性重視でロースピンっていう部分は変わっていない。インパクトでボールがひっつく感じがあるので、さらに操作しやすくなった。そういうクラブって初速が出ないことが多いんですけど、前のモデルより初速が出る」と話す。

火曜日の練習ラウンドでは、越えるのにキャリーで300ヤードが必要な11番パー4の右サイドの池を楽々越えて、フェアウェイど真ん中に運んだ。弾道計測器『トラックマン』の実測データではキャリーで310ヤード、トータル337ヤードをマーク。幡地は『GT2』や『GT3』も練習場ではテストしたが、「GT3は操作の仕方がマッチしない。GT2はほとんどフェースローテーションをさせない真っすぐ型。前はそうやって打っていたんですけど、今は弾道を打ち分けたい」と、より操作性を重視して『GT4』を選んだ。

幡地が口にした「ボールがひっつく感じ」は『GT2』や『GT3』をテストした選手たちも感じている。20年モデルとなる前々作の『TSi2』を使っていた勝俣陵は『GT2』をチョイス。「一番良いのは音です。こもった感じの抑えられた音で食いついている感じがある。僕好みのドライバーです。(現行の)TSRは球離れが速く感じて換えられなかった」と、低めの音を気に入っている。『GT2』を選んだ理由については、「GT4は顔が合わなかった。GT2とGT3を打ち比べたら、GT2の方がつかまりやすいのでGT2にしました」と語る。

音が気に入って投入に前向きな勝俣が、唯一不安に感じているのはスピン量。「僕が一番やりたくないのはスピンが減ること。もともと2000回転あるかないかで低いんです。新しいドライバーはスピンが減っているのでそこはちょっと怖い。もう少し調整したい。ただ今週入れる可能性はけっこうあります」。スピンが減れば初速が出て飛距離が伸びる一方で、少なすぎればコントロールが難しくなる。勝俣は重心位置を調整して適正スピンを目指していく。

さらに阿久津未来也も音を気に入っている。現在のエースは『TSR2』だが、今回は『GT3』をバッグに入れて練習ラウンドを行った。「新しいドライバーは中身の構造が全然違っていて、振った感じも違います。打ったときの音は前のよりも少し出なくなっている。この低くて鈍い音がタイトリストっぽくて僕は好きなんですよね。GT2よりもGT3の方がつかまったので、GT3でこれから調整していきます」。阿久津はクラブを換えるのに時間をかけるタイプで、今週の投入は見送るようだ。

今年からタイトリストとドライバー契約を結ぶ浅地洋佑は、『TSR4』→『GT3』にチェンジ。「GT4の方がスピンは少ないけど、今回のGT3はヘッドが大きいけど重心が前なので後ろが垂れない。スピンが少ない強い球が打てるようになりました。それでいて、ヘッドが大きいぶん、GT4よりもちょっとやさしい。飛距離も伸びた気がします」。浅地は細かい調整をかけずに「今週投入できそう」という。

打感については浅地も前の3人と同意見で「吸い付く感じでやわらかくなった。昔懐かしい感じで、けっこうコントロールもできそう。かといって飛距離が出ないかといったらそういうわけでもない。行ってみたら飛んでいますね」と語る。

■飛距離が伸びてミスにも強い

「前よりもヘッドスピードもボールスピードも上がっている」という鈴木晃祐は、『TSR3』→『GT3』にチェンジする予定。「ヘッドが丸く平たくなって、空気抵抗を受けにくい。キャリーが5ヤードくらいプラスしている」と、飛距離アップを実感している。ただ打感については少し違和感がある様子で、「やわらかめの低い音で、そこだけが気持ち悪い」と感じている。それでも「打感に慣れればいけるかな。そういうドライバーだと思えばスイッチできる」と即投入の可能性が高い。

鈴木と同じように『TSR3』→『GT3』に換える予定の前田光史朗は、ミスへの強さを感じている。「僕はフェードヒッターでヒールめに当たることがあるんですけど、TSRよりも右に流れなくなりました。月曜日と火曜日で18ホール回って、ミスヒットに強いんだなと実感しています」。『GT2』ではなく『GT3』を選んだ理由については、「GT2はヘッドが長いのでつかまえづらい。GT3の方がシャープだし、自在に操れそうな感じがします。ドローも打ちやすいですね」という。

また前田は、スピン量が減らしたくない勝俣とは逆で、「僕はスピン量が多くて、GT3でスピン量が減って適正になりました。今は2100回転くらいで、200回転くらい減った感じです」と、スピン量が減った恩恵を受けている。「トラックマンの平均でキャリーは280ヤードくらい。フェアウェイの硬さによりますけど、転がれば300ヤード行きます。飛距離はめちゃめちゃ出ていました」と、興奮気味に話す。

選手たちの意見を総合すると、打音が落ち着いたことで打感がやわらかくなり、操作性がアップ。それなのに飛距離も出てミスにも強い『GT』ドライバー。日本に入ってきた初週に半分以上の選手が投入しそうな勢いだ。