ウルグアイのビエルサ監督、大金星の喜び見せず 近年の『発展』に提言

AI要約

ウルグアイがブラジルとのPK戦を制し、コパ・アメリカで4強入り。ビエルサ監督は勝利に喜びを示さず、サッカー界の問題を指摘。

ビエルサ氏は、近年のサッカーの魅力が失われつつあると述べ、商業主義に警鐘を鳴らす。

彼はVARの影響や試合のハイライトだけが重視される傾向に懸念を示し、フットボールの本質を見失っていると主張。

ウルグアイのビエルサ監督、大金星の喜び見せず 近年の『発展』に提言

アメリカ合衆国で開催されているコパ・アメリカで、ブラジルとのPK戦を制し、4強入りしたウルグアイ。大金星を得た後のマルセロ・ビエルサ監督の記者会見が話題となっている。ドイツメディア『WELT』のシュテファン・フロール記者によると、ビエルサ監督は勝利を喜ぶ様子もなく、近年のサッカー界が抱える問題についてスピーチを始めたという。

 

「フットボールは近年、さらに多くのファンを獲得したが、その魅力をどんどん失っている。このスポーツを世界一愛されるものにした要素が、いまは最優先されていない」

 

長年のキャリアを誇り、母国アルゼンチン代表や、スペイン、フランス、イタリア、イングランドのトップクラブを率いて来たビエルサ氏は「いくら多くの人がサッカーを見られるように仕掛けても、本当に楽しめる試合でなければ、それは単に商業主義を助けるだけ。なぜなら、多くの人がサッカーを見れば、ビジネスは成り立つからです」と続けた。

 

試合のハイライトが手軽に見られたり、VARが試合の行方すら左右しかねないなどの、近年の『発展』に提言する。

「フットボールの試合は5分間のハイライトだけではない。それは文化の表現であり、アイデンティティを確立する手段。これが阻害されようとしている。(VARの介入しかり)すべて分かってしまうことで、フットボールの魅力が損なわれるのです。ウルグアイにも代表チームの試合をハイライトで見る人たちは居ますが、それは人々が自分の国の姿に惚れこむことを可能にする『フットボールの本質』とはかけ離れているのです」

 

フロール記者は、『コンテンツ』としての大会が増え続け、ぎっしり埋まった年間カレンダーをようやくこなした選手たちがEURO2024で見せる部分的に非常に低調なパフォーマンスに、ビエルサ氏の提言をリンクさせた。