6月は12本塁打と打ちまくり…大谷翔平が調子MAX!の要因は「不動の右肩」と「締まったアゴ」

AI要約

大谷翔平(29)が6月に打ちまくり、好成績を残した。

好調の要因はアゴの位置にあり、アゴを締めることでボール球の見極めが向上。

大谷は12年ぶりの打撃三冠王を目指す。

6月は12本塁打と打ちまくり…大谷翔平が調子MAX!の要因は「不動の右肩」と「締まったアゴ」

“6月男”の本領が発揮された1ヵ月間だった。

大谷翔平(29)が今年も6月に打ちまくり、月間打率.293、12本塁打、24打点、OPS1・110の好成績を残したのだ。

「ショーヘイは例年、6月にピークを迎える傾向にあり、日本人史上初のア・リーグ本塁打王に輝いた昨年は月間で15本のホームランを放ちました。しかし、昨年は投手としてのケガや二刀流による疲労に悩まされ、後半戦は失速してしまったのです。今季は打者に専念しており、『身体のコンディションも良い』と本人が話していますから、この好調が昨年より長く続く可能性が高い。シーズン終了まで打ちまくる姿を見るのが楽しみです」(ロサンゼルス地元紙ドジャース番記者)

大谷は現在、打率(.316)、打点(62)、本塁打(26)、安打数(102)、OPS(1.034)のすべてでメジャー全体のトップ5に入っている(数字は6月終了時点)。これは、MLBトップの31本、年間58本ペースでホームランを量産しているヤンキースのアーロン・ジャッジ(32)でさえも到達していない境地であり、そこに立っているのは大谷ただ一人だ。プロ野球解説者の得津高宏氏は、「好調の要因はアゴの位置にある」と分析する。

「本塁打数が伸びていなかった4、5月の大谷は、ボール球の見極めがあまりできていませんでした。初球から打ちに行く大谷の積極性は魅力ですが、一方でストライクゾーン外の球を強振して凡打になるケースが多かったのです。ところが現在、大谷は自分の得意なボールのみを選んで捉えることができている。

その理由は、構えた時のアゴの角度です。アゴが上に向いていると、目線も上がるので高めのボール球をストライクと錯覚してしまいます。しかし、アゴを締めて下に向けると、高めのボールの見極めが可能になり、低めへの対応も容易になる。現在の大谷は、アゴをしっかりと締めた構えができています」

アゴを引いた構えといえば、ヤンキースOBの松井秀喜氏(50)が思い起こされる。たしかにアゴの位置は、スラッガーの条件なのかもしれない。ただ、肝心のスイングがブレてしまえば、元も子もない。しかし現在の大谷は、「不動の右肩」によって完璧なスイングを実現している。

「シーズン序盤に比べ、明らかにファーストゴロが減っている。これは、身体が開いて打球を引っ掛ける打席が少なくなっていることを意味します。ポイントは、右肩の位置です。右肩がすぐに一塁側に向いてしまえば、打球を捉える前にバットのヘッドが返ってしまうので、長打に繋がりにくいのです。6月の大谷は、スイング時に一切、右肩が開かず、広角に長打を放っていた。まるで全盛期のイチロー(50)のような、美しい軌道でスイングができています」(得津氏)

松井のような構えと、イチローのようなスイング―。メジャーの歴史に名を刻んだ二人の先人の”いいとこ取り”で、大谷は今季、MLBで12年ぶりとなる打撃三冠王を目指す。

『FRIDAY』2024年7月19日号より