【バレー】女子日本、世界ランク1位イタリアに1-3で敗れる VNL初の銀メダル獲得

AI要約

日本はVNL決勝でイタリアに1-3で敗れ、銀メダルを獲得。10年ぶりのメダル獲得となった。

主将の古賀紗理那が多彩なスパイクで攻撃をけん引し、チームを鼓舞。五輪に向けて課題と勲章を胸に挑む。

古賀の存在感が光る試合で、勝負どころでの強さやメンタルの強化が成果を表した。

【バレー】女子日本、世界ランク1位イタリアに1-3で敗れる VNL初の銀メダル獲得

<バレーボール・ネーションズリーグ(VNL):日本1-3イタリア>◇女子ファイナルラウンド◇決勝◇23日◇タイ・バンコク

 既にパリオリンピック(五輪)出場を決めている日本が、大会初メダルとなる銀メダルを獲得した。

 決勝で世界ランキング1位のイタリアと対戦し、1-3で敗北。勝利で1977年W杯バレー以来47年ぶりとなる主要国際大会のタイトル獲得とはならなかったが、14年のワールドグランプリ(現VNL)の銀以来10年ぶりのメダルをつかんだ。

 11年W杯バレー優勝の強豪に自力の差を示される形となったが、主将の古賀紗理那(28)が多彩なスパイクで攻撃陣をけん引。劣勢でも攻め続ける姿勢を見せ、最後までチームを鼓舞し続けた。五輪の前哨戦で得た勲章と課題を胸に、約1カ月後に迎える本番へ挑む。

 前日22日、五輪で2度の優勝を誇るブラジルをフルセットで撃破した。五輪1次リーグで同じB組に入り、6大会連続での対戦が決まった宿敵に、昨年の五輪予選W杯バレーの雪辱。主将古賀は「私たちが勝ち進んでいく中で、いつも壁として立ちはだかるチーム。接戦だったが、しっかり(勝利を)取ることができてホッとしている」と声を弾ませた。

 この時も、際立ったのは主将の存在感だった。最終第5セット(S)。7-1と大きくリードしながら、9-9と同点に追いつかれた。直後のタイムアウトで日本ベンチに響いたのは、古賀の声だった。「負けてる顔してるよ!」「切り替えて、ここでしっかり点を取ろう!」。苦しい場面でも笑顔でコートに戻る。そこから自らのアタックでサイドアウトを重ね、最後まで主導権を渡さずに勝ちきった。

 「攻めていく気持ちが壁を越すために大切。私自身が自覚していた」。その言葉通り、この試合では昨季から課題に挙がる「勝負どころの弱さ」は見えなかった。第1Sは21-24と追い込まれながらも、5連続得点などで先取。第3Sも22-17から4連続失点で1点差まで詰め寄られたが、最後は3連続ポイントで振り切った。セット終盤の劣勢を想定した練習を重ねてメンタルを強化してきた成果が、結果となって表れた。

 試合前まで全体2位の235得点を記録していた絶対エースの貢献は計り知れない。その中で古賀は「キャプテンという点を意識せずに自分のプレーに集中できている」と明かす。小島、岩崎らベテラン勢の助力もあり、強固な一枚岩を作り上げてきた。

 VNLでは大会初の金メダルには届かなかった。それでも、次はパリがやってくる。一丸となって、12年ロンドン大会以来の表彰台へ駆け上がる。