【ラグビー】日本代表“超速ラグビ-”の手応えは イングランドに大敗もリーチ「必ず強くなる」

AI要約

日本は新体制初戦でイングランドに17-52で完敗し、12戦全敗の記録を更新した。

ジョーンズHCは若手の可能性を見いだし、旗印の“超速ラグビー”に手応えを示すも、次戦へと続く。

結果に懸命に取り組む日本代表は、27年W杯での目標に向けて戦力の蓄積を図る。

<ラグビーテストマッチ・リポビタンDチャレンジカップ2024:日本17-52イングランド>◇22日◇東京・国立競技場◇観衆4万4029人

 日本(世界ランク12位)が新体制初戦で完敗した。イングランド(同5位)に17-52で屈し、通算12戦全敗。9年ぶり指揮のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC、64)は初代表8人ら若手の可能性を見いだし、旗印の“超速ラグビー”に手応えを示した。

 次戦は「JAPAN XV」として臨むマオリ・オールブラックス戦(29日、東京・秩父宮ラグビー場)。27年W杯オーストラリア大会での初の4強へ、独自スタイル確立と戦力発掘を進める。

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 1年半ほど前まで率いた古巣に圧倒されても、ジョーンズHCの表情は穏やかだった。

 「結果は残念だが、努力は申し分ない」

 序盤からテンポを落とさず連続攻撃を仕掛け、前半2分にSO李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)のPGで先制。最初の20分は3-7と奮闘した。隣でフル出場のリーチ・マイケル主将(東芝ブレイブルーパス東京)が「15~20分までは練習の成果が出た。自分たちが目指す超速ラグビーが少し見えた」とうなずいた。

 昨秋のW杯フランス大会以来の代表戦。その舞台の経験者は23人中9人で、相手の14人に及ばない。前半24分にはSOのM・スミスに40メートル独走トライを許し、守勢に入ると簡単に打開できなかった。

 それでも試合前時点で合計3キャップのFW第1列は、同207の伝統国からスクラムで反則を誘った。初キャップのフッカー原田衛(東芝ブレイブルーパス東京)は「自信になった」。42点を追う後半26分には、途中出場のフランカー山本凱(東京サントリーサンゴリアス)が粘り強い足腰で抜けだした。山本とともに初出場のSH藤原忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)が“超速”で展開し、左大外のWTB根塚がトライ。3分後にFB山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)もトライを決め、リーチは「この経験が財産。必ず強くなる」と誓った。

 今月8日に合宿地の宮崎へ集合し、本格始動から10日余りでの初実戦だった。次はマオリ・オールブラックスとの2連戦を控え、ジョーンズHCは「今は選手層が薄い。27年W杯でトップ4に入るには、各ポジションで3人ずつのタレントが必要不可欠」と育成も進める。結果が求められる3年後へ、悔しい大敗を成長への糧にする。【松本航】