スケートボード堀米雄斗準決勝へ…2本目に高難度のトリック決め、パリ五輪に望み

AI要約

アクションスポーツのパリ五輪予選シリーズの第2戦が行われ、スケートボード男子ストリート予選で日本代表選手が活躍し、女子スポーツクライミングも注目された。

スケートボード男子の堀米選手が予選で逆境をくぐり抜け、五輪切符獲得に向けて奮闘している様子が描かれている。

女子スポーツクライミングでも伊藤選手と野中選手の壮絶な争いが繰り広げられ、熱いバトルが予想される。

 【ブダペスト=井上敬雄】アクションスポーツのパリ五輪予選シリーズ(OQS)第2戦は21日、ブダペストで第2日が行われ、スポーツクライミング女子複合予選は後半のリードで野中生萌(みほう)が88・0点をマークし、ボルダーとの合計187・8点の3位で準決勝に進んだ。伊藤ふたば(デンソー岩手)は6位通過。20日の第1日のスケートボード男子ストリート予選は佐々木音憧(とあ)が1位、堀米雄斗(三井住友DSアセットマネジメント)が7位で通過し、根附海龍(ねつけかいり)(DC Shoes)、白井空良(そら)(ムラサキスポーツ)、小野寺吟雲(ぎんう)も準決勝に進んだ。女子パーク予選は3位の草木ひなの(スターツ)のほか、長谷川瑞穂、開心那(ひらきここな)(WHYDAH GROUP)、四十住(よそずみ)さくら(第一生命保険)、菅原芽依が準決勝進出。

 スケートボード男子ストリートの五輪初代王者が予選敗退のピンチをしのぎ、戦線に踏みとどまった。

 堀米は45秒間自由に滑るランの1本目に痛恨のミス。だが、後がない2本目に「今までランでは出していなかった」という技を披露。270度横回転しながら板の先端で障害物を滑る難度の高いトリックを決めた。

 日本代表の枠は最大三つ。堀米は5月のOQS第1戦(上海)は予選で敗退。若手選手の台頭もあり、現在ランキングで日本勢5番手と苦しい位置にいる。

 OQS第1戦後、恩師でもある日本代表・早川大輔コーチが堀米の拠点の米国に駆けつけた。第2戦に向け、2人は寝食を共にし、夜まで黙々と滑り続けた。10歳代前半から早川コーチとともにスケートボード本場の米国に遠征し、ひたむきにトップを目指していた頃の自分の姿を取り戻す作業でもあったという。

 ライバルを逆転しての五輪切符獲得にはまずは自分が上位に進出することが必要だ。今はまだ他の選手の滑りを気にする余裕はない。これまでのクールなイメージから一転、競技の間のわずかな時間も惜しんで必死に滑り込む。「まずは決勝まで行きたい」。日本の第一人者が、パリにつながる細い糸を必死につかもうとしている。(井上敬雄)

 スポーツクライミング女子複合予選の伊藤は、前日のボルダーに続いてリードでも80・1点と80点台に乗せ、合計164・4点で予選を通過。今大会は五輪代表の残り1枠をかけた最終戦。「(野中)生萌との争いだ!」。ライバルとの決戦をあおるような場内実況もされたが、冷静に攻略し、壁の高い位置へよじ登った。「自分が(力を)出し切れるかどうかということしか気にしていない」と伊藤。目の前の課題に挑むだけだ。