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夢を乗せたアプローチに熱狂 引退発表のレキシー・トンプソンがプレーオフ惜敗
最終18番でのドラマチックな幕切れ。レキシー・トンプソンが5年ぶりの優勝にわずか数センチ届かず。プレーオフでの惜敗も含め、感動的な一日だった。
苦手とするアプローチを劇的に成功させたトンプソン。プレーオフでの活躍を振り返り、自らのプレーに自信を深めている様子。
フルタイムのプレーを終えることを発表したトンプソンは、まだ10試合ほどのシーズンが残されており、燃え尽きることを先延ばしにしている。
![夢を乗せたアプローチに熱狂 引退発表のレキシー・トンプソンがプレーオフ惜敗](/img/article/20240617/666facc63dabd.jpg)
◇米国女子◇マイヤーLPGAクラシック for Simply Give 最終日(16日)◇ブライズフィールドCC(ミシガン州)◇6556yd(パー72)
誰もが最高の幕切れを夢見た。最終18番(パー5)、レキシー・トンプソンのグリーン奥からのアプローチはフックラインに乗って転がり、カップを目の前にして止まった。長身を折って悔しがった本人だけでなく、大ギャラリーも頭を抱えて叫んだ。2週前に今季限りでフルタイムのプレーを終えると発表したばかり。5年ぶりの優勝に、あと数センチ届かなかった。
バーディ締めでもつれ込んだリリア・ヴ、グレース・キム(オーストラリア)との三つどもえのプレーオフに惜敗。2度繰り返した18番はバーディで食い下がったが、3ホール目の4番(パー5)でティショットを左に曲げ、バーディを奪えなかった。
それでも、充実感が上回る。「素晴らしい一日だった。ゴルフもそうだけど、素晴らしいファンの前でプレーできた。寒気がするようなあれだけの歓声は、(欧州選抜との対抗戦)『ソルハイムカップ』でもない限り聞いたことがない。毎回寒気がしたわ。ほかの選手も素晴らしいゴルフをしたし、(勝った)リリアも素晴らしいプレーをした」
最大の見せ場となった正規の18番、55度のウェッジで見せたアプローチは、スプリンクラーが邪魔になって選んだ苦肉の策だった。そもそもアプローチを苦手としており、プレーオフの18番は2回とも奥からの寄せにパターを使っている。「(優勝には)チップインしなければならないことは分かっていた。間違いなく入ると思ったし、素晴らしいチップだったから文句を言うつもりもない。バーディでプレーオフに進めただけでも、素晴らしい気分」とほほ笑んだ。
3日目のアウトでマークしたハーフ「29」、5打差でのスタートからサンデーバックナインで見せた4バーディの猛チャージ…。「大きな意味がある。フルタイムのプロゴルフから遠ざかることを発表したからには、ことしをしっかりと締めくくりたい。この後も、まだ10試合ほどあるから」。燃え尽きるのは、もう少し先だ。(ミシガン州ベルモント/亀山泰宏)