ヤクルト・ドラ4鈴木叶 セ史上最年少18歳2カ月先発マスクでプロ初安打が決勝打「うろしい…うれしいです」

AI要約

ヤクルトの若き新星、鈴木叶捕手がセ・リーグ最年少記録で先発マスクを務める。緊張の中で勝利に貢献し、初のヒーローインタビューも果たす。

プロ入りを果たした鈴木は、緊張と興奮を胸に新たな挑戦を続け、将来に期待が高まる。

ヤクルト・鈴木のデビューは記録を更新し、これからの成長が楽しみな逸材であることが証明された。

ヤクルト・ドラ4鈴木叶 セ史上最年少18歳2カ月先発マスクでプロ初安打が決勝打「うろしい…うれしいです」

 「ソフトバンク3-9ヤクルト」(12日、みずほペイペイドーム)

 若き新星を大歓声で待つスタンドとは対照的に、ヤクルトのドラフト4位・鈴木叶(きょう)捕手(常葉大菊川)の声は震えていた。「すごくうろしい…うれしいです」。セ・リーグ最年少記録となる18歳2カ月での先発マスクで躍動。緊張は言葉に伝わったが、無邪気な笑顔で勝利を喜んだ。

 球場に到着後、先発マスクであることを知った。今季初先発の山野とは2軍でバッテリーを組んでいたための大抜てき。初回の守りはガチガチ。次第に緊張はほぐれていき、最初に訪れた見せ場は四回だった。同点とし、なおもチャンスの2死一、二塁で前打者の山田が申告敬遠された。

 ソフトバンクバッテリーに勝負の相手として指名されると、低めのスライダーに食らいついた。しぶとく左前に運び、値千金の勝ち越し2点打。七回にも左前打を放つなど、出場、安打、打点、マルチと初もの尽くし。ヒーローインタビューの景色も独り占めにした。

 夢だったプロの扉を開くと、常葉大菊川・石岡監督から昨年末、部室にあった本の中から一冊を手渡された。「あたりまえのことを バカになって ちゃんとやる」-。2軍で捕手としてのイロハをたたき込まれ、「練習参加」で1軍を体験した日も貪欲に先輩を目で追った。山野と2軍で組んだ経験がこの日の躍動につながり、全てが必然で結ばれた結果だ。

 「これからもいろいろな経験をして、挑戦していきたい」。まさに“叶運”。とんでもない逸材が現れた。

 ◆高卒新人捕手のスタメン年少記録 ヤクルト・鈴木が12日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)に8番・捕手で先発出場。22年10月2日、ロッテ・松川がソフトバンク戦で先発マスクをかぶって以来。なお鈴木は18歳2カ月で、セ・リーグ捕手の最年少先発記録だった松原誠(大洋)の18歳3カ月(62年5月8日、中日戦)を上回った。パ・リーグの年少記録は大映・谷本稔の18歳1カ月(55年3月27日、東映戦)。一昨年の松川は3月25日、楽天との開幕戦で先発も、18歳5カ月だった。

 ◆鈴木叶(すずき・きょう)2006年3月21日生まれ、18歳。静岡県掛川市出身。181センチ、81キロ。右投げ右打ち、捕手。西山口野球少年団で野球を始め、掛川東中時代は硬式の浜松南シニアに所属。常葉大菊川では2年春から4番・捕手に定着。3年時にセンバツ出場。強肩に加え高校通算21本塁打の打力もあり、23年度ドラフト4位でヤクルト入団。背番号65。