希代のスター河村 人々を魅了する人間性―バスケ・日本の司令塔(下)

AI要約

若き司令塔河村勇輝が世界大会での活躍、大人気の背景、人間性を通して真のスターであることを表現。

河村の自然体な姿勢や常に向上心を持つ姿勢がチームやファンを魅了し、日本を代表する人気アスリートへと成長。

河村の冷静さ、謙虚さ、そして素晴らしい性格が周囲からたたえられ、今後に期待が高まっている。

希代のスター河村 人々を魅了する人間性―バスケ・日本の司令塔(下)

 河村勇輝、恐るべし―。

 世界大会初出場の若き司令塔が一躍「時の人」となった昨年のワールドカップ。舞台裏のある出来事で、改めてそう思わされた。

 河村の活躍で格上のフィンランドに勝利した1次リーグ第2戦の試合直後。ヒーローのもとには多くのメディアが殺到した。選手との間に設置された柵が今にも倒れんばかりの人だかり。それを見た河村はこう言った。「押さないでください。大きな声でしゃべりますから」。周囲がお祭り騒ぎの中でも、当時22歳のチーム最年少はコートを出ると、どこまでも自然体だった。

 後に河村は当時について「チームは勝ったが、うまくゲームメークできなかった部分もあったので」と語った。既に頭の中は次の試合のことでいっぱい。司令塔の立場上、常に冷静にチームを見渡すことが重要ではあるが、日本の歴史的快挙、ましてや初の大舞台で自身が大きく貢献しての勝利。興奮してもおかしくない状況にもかかわらず、一喜一憂することはなかった。

 W杯後の多方面での活躍は周知の通り。横浜BCのホーム戦は、立ち見が出るほどの大盛況。これまでバスケを見たことがなかった新規のファンを増やした。オフにはイベントやテレビCM出演で引っ張りだこ。バスケ界の枠を飛び出し、日本を代表する人気アスリートとなった。

 日本代表の渡辺雄太は河村について「すごくいい性格をしていて、本当にいい子」と言う。常に向上心を持ち、謙虚さを忘れない。人間性でも人々を魅了する河村はまさに真のスターだ。