【水戸×長崎戦】勝敗を決した「後半102分のPKはなぜ生まれたのか?」(1)ジェズスを倒した前田椋介への「ノーファール宣言」と空白の6分間

AI要約

水戸ホーリーホックとV・ファーレン長崎の試合で主審がジャッジを変更し、長崎が勝利した問題について考察。

95分30秒に主審がペナルティエリア内でのファールを取り消し、長崎にPKを与えた結果、敗北した水戸。

試合の行方を左右した主審の行動により、非常に論議を呼ぶ結末になった。

【水戸×長崎戦】勝敗を決した「後半102分のPKはなぜ生まれたのか?」(1)ジェズスを倒した前田椋介への「ノーファール宣言」と空白の6分間

 明治安田J2リーグ第18節、水戸ホーリーホック(以後、水戸)対V・ファーレン長崎(以後、長崎)戦がケーズデンキスタジアム水戸で行われた。

 試合は2対3で長崎が勝利した。このゲームにおいて、大きな問題があった。榎本一慶主審が一度下したジャッジを変更したのだ。

 それによって長崎が勝利することになったレフェリーの判定について、サッカージャーナリストの川本梅花が考察する。

 2対2の同点のまま、後半アディショナルタイムに入った。

 長崎の左インサイドハーフ、マテウス・ジェズスがペナルティエリアに侵入する。すると、水戸の前田椋介が両足を出してジェズスを倒してしまう。転がるボールを、水戸の山田奈央がタッチライン外に蹴り出した。

 ジェズスを倒した前田のこのプレーに対して、主審はノーファールを宣言する。これが95分30秒の出来事だ。

 アディショナルタイムの時間は5分だったので、長崎のスローインがラストプレーになると誰もが思った。

 ジャッジに抗議する長崎の下平隆宏監督のもとに、榎本主審が事情を説明に行く。このときに、榎本主審はフォース・オフィシャル(第4の審判員)と話し合いをしている。この間で6分が費やされた。

 ピッチに戻ってきた主審は、自らの判定を覆してペナルティスポットを指差し、長崎にペナルティキック(以後、PK)を宣言した。

 102分にPKをフアンマ・デルガドが決めて、長崎が勝利を手に入れた。非常に後味の悪い試合になってしまった。

 先に述べた決勝点が生まれた場面を振り返って、主審の行為の問題点を述べてみよう。