広島・栗林良吏、復活の裏に〝治療家〟の存在

AI要約

広島・栗林良吏投手が復活し、通算100セーブを達成した。その裏には治療家の存在があった。

栗林は音川燿佑さんとタッグを組み、毎月治療を受けることで復活。音川さんはプロ野球選手として初めての経験であり、栗林の日々のトレーニングをサポートしている。

栗林と音川さんは愛知黎明高校の野球部で出会い、互いに支え合う関係。栗林の調子も好調で、チームの勝利に貢献している。

広島・栗林良吏、復活の裏に〝治療家〟の存在

【球界ここだけの話】

本来の姿を取り戻し、守護神に返り咲いた。広島・栗林良吏投手(27)が5月26日のDeNA戦(横浜)で通算100セーブを達成。復活の裏には〝治療家〟の存在があった。

「自分が一番、良吏さんのことを知っていると思う。すごくよくしていただいて、人間性も素晴らしい方。ずっとリスペクトを持っていた先輩なので、いつまでも応援したいと思っています」

そう語るのは、愛知黎明高の2学年下で、現在は愛知県内で治療院を運営している音川燿佑(おとがわ・ようすけ)さん(25)。今年1月の同県内の自主トレーニングでタッグを組み、レギュラーシーズンに入っても月に何回かのペースで試合前後にはり・きゅうやマッサージなどの治療を行っている。

〝個人トレーナー〟の打診は突然だった。昨秋に電話が鳴り「1月に治療をしてもらえる?」と依頼を受け、その場で決断した。大学野球の選手の担当をした経験はあるが、プロ野球選手は初めて。夜が遅くなることがあるが、毎朝午前4時頃には起きて、野球やトレーニングに関する読書や栗林が登板した試合のチェックを欠かさないという。

2人が初めて会ったのは、音川さんが中学3年時の愛知黎明高硬式野球部の体験会だった。学校側から事前に「きょうは誰も取らないから」と説明があったが、大きな声を出して元気よくプレーする姿に、当時、チームの主将だった栗林がコーチに「チームに欲しいです」と訴えた。強豪校で野球を続けることができた恩がある。

「(治療を続けて)体にしなりが出てきていると思います。上半身と下半身のバランスが取れるようになっている」

栗林は昨季、WBCの大会中に腰、さらにシーズン中には右内転筋を痛め離脱したが、今季は好調を維持している。6月3日の時点で24試合に登板し0勝1敗、6ホールド、15セーブ、防御率0・40。気心の知れた後輩のサポートを受け、チームの勝利のためにセーブを重ねる。(柏村翔)