【安田記念 みどころ】 香港最強馬vs日本馬 混沌とするマイル界を制するのは…

AI要約

2024年、日本競馬のマイル路線は主役不在の混戦模様となっている。昨年の覇者やライバルが引退し、香港からも実力馬が参戦する中、日本馬も新たなスター誕生を期待される状況。

安田記念に挑む日本馬の中で注目されるのが、6歳緒戦での快勝を収めたソウルラッシュ。過去の敗因を乗り越え、悲願のGⅠ制覇に向けて期待が寄せられている。

道悪馬場での開催が濃厚な週末の安田記念。これまでの成績も考慮すると、ソウルラッシュにとっては絶好のチャンスとなるだろう。

【安田記念 みどころ】 香港最強馬vs日本馬 混沌とするマイル界を制するのは…

2024年、日本競馬のマイル路線は主役不在の混戦模様となっている。

昨年のこのレースの覇者であるソングラインは現役を去り、彼女のライバルだったシュネルマイスターも種牡馬の道へ進んだ。マイルGⅠ3勝を誇るソダシも昨年秋には現役を去り、繁殖牝馬として牧場に戻った。

だからだろうか、今年の安田記念なら勝負になるとして、香港からも2頭がエントリー。

中でもロマンチックウォリアーはこれまでにGⅠ7勝を挙げ、香港最強馬の称号をほしいままにしている実力馬で、今回も上位人気に推されることが予想されている。

安田記念に外国馬が押し寄せるようになったのは90年代から。これまでに延べ56頭が海を渡ってきたが、印象深いのはちょうど30年前のこのレース。

安田記念史上最多となる大挙5頭もの外国馬がエントリーし、1番人気にスキーパラダイス、そして2番人気はサイエダディと外国馬が優勢とされた。その時の日本馬もちょうど、今年のように大将格となる馬が不在だった。

だが、この1994年の安田記念を制したのはこれがGⅠ初制覇となったノースフライト。異国の実力馬を相手に完勝した彼女はこれで自信を付けたか、秋にはマイルCSを制してマイルの女王となった。

あれから30年後の今年。安田記念に挑む日本馬のメンバーはまさにこの時と同じような主役不在の混戦模様。

それだけに新たなスター誕生を期待したいが……その筆頭格としてソウルラッシュを挙げたい。

2歳暮れにデビュー勝ちを収めたが、2勝目を挙げたのはそれから1年後とその歩みは決して順調なものではなかったが、それから怒涛の4連勝。

マイラーズCを制してGⅠ初挑戦となったのが2年前のこのレース。しかしこの時は相手が強く13着に大敗。秋もマイルCSで4着に敗れるなど、マイル王にはあと一歩届かなかった。

5歳となった昨年もそうだった。マイラーズC3着から臨んだこのレースはまたも中団から伸びずに9着大敗。しかし、秋には京成杯AHで重賞2勝目をマークすると、マイルCSで2着。暮れの香港マイルでも4着と気を吐いた。

「春はイマイチでも秋になると活躍する」という傾向が見られたソウルラッシュだが、6歳緒戦となったマイラーズCでは2年ぶりに1番人気に支持されると、それに応えるかのように中団から鋭く伸びて快勝。上がり3ハロン34秒6でこのレース2勝目を手にして見せた。

3度目の挑戦となる安田記念。これまでを考えると期待しづらいように感じるが、2年前は直線で不利があり、昨年は出遅れが最後まで響くなど明確な敗因があったことは確か。

週末の府中は雨模様となっているため、道悪馬場での開催となることが濃厚。そうなれば稍重以上の道悪馬場で4戦全勝という成績も生きてくることだろう。悲願のGⅠ制覇へ待ったなしだ。