「会津本郷焼の魅力」サブスクで知って! 福島県会津美里町の事業協組、飲食店などに貸し出し 産地活性化へ需要開拓

AI要約

福島県の会津本郷焼事業協同組合が新たに始めるサブスクリプションサービスについて紹介。

会津本郷焼の器を貸し出すサービスは売り上げの落ち込みや初期費用抑えの課題を解消し、産地活性化を目指す。

具体的なサービス内容や計画、組合の取り組みなどを紹介。

「会津本郷焼の魅力」サブスクで知って! 福島県会津美里町の事業協組、飲食店などに貸し出し 産地活性化へ需要開拓

 福島県の会津本郷焼の窯元でつくる会津本郷焼事業協同組合は、新規開業する飲食店などに会津本郷焼の器を貸し出すサブスクリプション(定額利用)サービスを新たに始める。売り上げの落ち込みに悩む産地と、初期費用を抑えたい飲食店の双方の課題を解消する仕組みを目指す。早ければ年度内のサービス開始を目指す。多くの人の目に付く飲食店の器から会津本郷焼ブランドの魅力を感じてもらい、需要開拓による産地活性化につなげたい考えだ。

 窯元が作った器を組合が買い上げ、サービスを望む店に定額で貸し出す。対象は新規創業店舗や、使用を検討したが金額の面などであきらめた店舗などを想定している。まずは、地元の会津地域を中心に使用店舗を増やしていく計画。

 価格設定など詳細は今後詰めるが、契約は最低3カ月程度を想定。季節や店側が取り扱うメニューに合わせて器を交換する。欠損した器は窯元で焼成するなど対応する。システム構築費やサービスを紹介するウェブページ作成などに必要な費用は、補助金やクラウドファンディングの活用を検討する。

 会津本郷焼は福島県を代表する焼き物の一つで、東北最古と言われる400年以上の歴史を誇る。組合によると、安価な陶磁器の流通や需要の変化に加え、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故、新型コロナ禍が重なり、震災発生前は年間1300万円ほどあった売り上げが昨年度は700万円台にまで落ち込んだ。

 価格の面で店側から組合に器の貸し出しを求める声があり、手軽な価格で貸し出すサービスを模索してきた。会津本郷焼は一つの産地に陶器(土物)や磁器(石物)、絵付けや釉薬(ゆうやく)の色使いといった12窯元それぞれに違った特徴がある。組合事務局の松田純一さんは「伝統的なものから、かわいらしいものまで幅広い器がそろっている強みを生かしたい」と力を込める。

 28日に同町の町商工会本郷支所で開いた組合の総会でサービスの方向性を決めた。組合代表理事の弓田修司さんは「新事業を考えていかなければならない状況にきている」と産地を取り巻く環境の厳しさを説明し、「収益を上げる起爆剤の一つにしたい」と意気込んだ。