大阪・道頓堀「金龍ラーメン」立体看板の龍の尻尾ついに切断 龍の目には涙 判決受け苦渋の決断「あの立体看板は当社そのもの。たかがしっぽではない」

AI要約

大阪・ミナミの人気ラーメン店「金龍ラーメン道頓堀店」の龍の立体看板が、所有権問題でしっぽが切られることとなった経緯について。

運営会社は撤去訴訟を受け入れず、裁判を経てしっぽが切られることとなったが、未来も看板を大切にする姿勢を示している。

切り取られたしっぽは金色に塗装され、立体看板は引き続きミナミの風物詩として大切にされることになった。

大阪・ミナミの「金龍ラーメン道頓堀店」。店舗を飾る龍の立体看板が、地元客や観光客に長年親しまれていますが、23日深夜、作業が行われ、ついにしっぽが切られました。

大阪・ミナミの「金龍ラーメン」にある龍の立体看板については、店先の路地からが隣の土地にあたり、土地を所有する不動産会社が「立体看板のしっぽの部分や庇が境界線を越えている」として、金龍ラーメンの運営会社を相手に撤去を求める訴えを起こしていました。

いっぽう金龍ラーメン側は「撤去費用は高額になり、ブランドイメージも低下する」などとして、訴えを退けるよう求めていました。

23年に大阪地裁が「立体看板と庇は、土地の所有権を妨害している」として、金龍ラーメン側に撤去を命じる判決を言い渡したのに続いて、24年5月には大阪高裁が「庇及び立体看板を撤去せよ」とする判決を言い渡していました。

運営会社は14日、「上告を検討しましたが、龍の立体看板を目印に足を運んでいただいている国内外のお客様に真摯に向き合っていくため、負担のかかる裁判手続きにこれ以上心血を注ぐのは難しいと判断」したということです。

そして、「断腸の想いではありますが、判決に則り、龍のしっぽを切るという判断をくだしました」と発表していました。

金龍ラーメンの運営会社は、MBSの取材に対し「あの立体看板は当社そのものなんです。たかがしっぽではない」と話していました。

そして、隣地の所有者らとの協議・調整を経て、23日深夜~未明にかけて、しっぽ部分を切る工事が行われました。工事は4時間以上にわたり行われ、立体看板を制作した会社社長も立ち合う中行われました。

切られたしっぽの断面は「金龍ラーメン」の名前にちなみ『金色』に塗装され、龍の顔部分、目の下には涙の装飾が施されました。

しっぽは切られましたが、金龍ラーメンの運営会社は『ミナミの風物詩として認知している看板をこれからも守り続けていく』などとコメントしています。

【運営会社のコメント】

「しっぽ部分は断腸の思いで切ることとなりましたが、お客様がお越しになる際の目印として愛され、また、ミナミの風物詩の一つとして認知いただいている龍の立体看板をこれからも大切に守り続けていきます。そして、1982年の創業以来研鑽を積み重ねてきたラーメンの味、お客様との繋がりを大切に店舗営業に日夜取り組んでいくことで、大阪ミナミエリアの賑わい創出に微力ながら貢献していく所存です」